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虎倉街の偽の射影たち  作者: 主道 学


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近所を見に行こう その2

 ニュースキャスターのいる下の字幕に、次はお天気コーナーと書かれている。


「ふーむ、そうですか。今後ますます不景気になるかも知れませんね……。あ、次は天気予報ですね。このところ寒い日が続きますねえ。それでは、小春さん。今日の天気はどうですか?」


 ニュースキャスターの一声の後で、場面が変わった。何故か近所の比水ひすい公園が映っていた……。


「おはようございますー。今日は、比水公園に子供たちと来ていますよー。いやー、朝の7時だというのに寒いですねー。さっそくですが、今日の天気は……晴れ時々、地震が起きるでしょう」


 気象予報士の後ろには、子供たちの平和な笑う顔がある。


 場所は……俺んちの近くにある比水公園だ。


「へえ、そうですか。……次は、経済のニュースです。中東の経済状況が……」

  

 何故……比水公園で……?

 一体……?

 おかしいだろ?


 外の闇の中から……はあ?

 桜の花弁が落ちているーーー??


 俺の家の隣は比水公園だった。さっきのニュースの天気予報では、そこの桜の木が満開のようだった。


「おにいちゃーーん! 遅刻だよーーー!! なんで起こしてくれないのーー! おにいちゃんバカ!」

 その時、妹のひかるの絶叫が二階から降ってきた。

 あれ? もうこんな時間か?

 いつもの妹を起こしてやることを忘れてた。


 数分後。慌てて夜の外へと二人して駆け出していた。


「光! 朝食は優しい兄である俺のトーストだ!」

「ほりがとう! ほひいちゃん!」


 もぐもぐと、俺のフレンチトーストを走りながら瞬時に食べてしまう妹を置いて、ひとまず公園に様子を見に行くことにした。


 そこに現れたのは、気象予報士や子供たちの姿はなく。

 満開の桜に覆われたこじんまりとした公園だった。いつもここには老人しか訪れない。おまけに噴水が中央にあるだけの公園だ。ただ単の……鳥たちの水飲み場でもあるのだ。


「うーんっ! 綺麗な夜桜ッスね?」


 俺は呆れて冗談を言うしかなかった。風に乗って桜の花弁がひらひらと舞い落ちている。


「ナニコレ? 異常気象? え? なんで、今、7月よ!」

 俺に追いついた光るが目を回して言うのだが……。


「ああ、寒いのになあ。桜くん。ご苦労様です! ちょっと、お尋ねしてもよろしいでしょうか、ここでテレビ中継とかされていましたか?」

「何言ってるの? おにいちゃん! いつもに増して一割くらい変よ!」


 なんだか……変だ!

 今日に限って……。


 その時、ズシンという地面からの揺れと衝撃と共に俺と光の身体がグラついた。咄嗟に地震だと思ったのは、勿論今朝の天気予報のせいだ。


「光! 伏せろ!」

「え! 何! 地震?! 伏せていいの?」



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