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虎倉街の偽の射影たち  作者: 主道 学


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近所をもっと調べてみよう その7

 俺は教会の右の部屋へと急いで向かった。

 だが……。


 うぎっ?!


 俺は立ち止まった。

 部屋の中には大きな影が三つあったからだ。

 影たちはこちらに即座に反応して構えた。

 どうやら、型からするとボクシングのようだ。


「ひょっとして、俺の影からの刺客か?! あいつ俺の家で俺に気付いていたんだ!!」


 俺も心影流の型を構えた。

 

「お前たち。そいつには迂闊に近づかない方がいい」


 部屋のドア付近の窓から俺の影の声がした。

 俺は内心冷や汗を掻いた。


「そうだな……全員で一度に体当たりをするんだ!!」

「うぎっ?!」


 俺の影の言葉に。

 俺は心影流の構えを解いた。

 逃げの態勢を作る。


 心影流には少しだけ弱点があった。

 大男の体当たり。

 それも大勢に囲まれたりした時の体当たりは避けるしかない。


 俺の姿をした影が素早く窓際から右の部屋のドアに立った。


 退路が絶たれた!

 

 こうなりゃ、イチかバチかのカウンターを全員に一度にしなければ……。


 大きな踏み込みの音が部屋中に響き渡った!

 三つの大きな影が俺に向かって、一斉に体当たりをしてきた!

 

 俺は再び心影流の構えをし、目を閉じて呼吸を止めた。

 

「そこだーーーーー!!」


 すぐに俺には三つの大きな影の全ての隙が見えた。

 渾身の力で右上段回し蹴り。右膝蹴り。腰を降ろしてのアッパーカットを放った。

 ゴキッ、とした音が三つほぼ同時に鳴った。

 俺の攻撃の全ては瞬間的に全員の影の首を打っていた。


「やった!! どうだ! 見たか! 心影流は最強の守りの技だーーー!!」


………


「ふん! 後ろががら空きだ!」

「がっ!!」


 俺の影が俺を羽交い締めにした。


「なんの! ウラー!」


 俺は背面目掛けて強烈な肘打ちを打った。 


 ゴンッ、と派手な音がした。


 俺の影が、大きくよろけ肘が当たった右頬を抑えて呻いた。

 羽交い締めが解けると、今度は膝蹴りを放つため俺の影の腹部目掛けて思いっきり踏み込んだ。


「ぶっ飛べーーーー!!」

 

 渾身の膝蹴りが俺の影の鳩尾みぞおちに鋭く当たる。肉と肉がぶつかる音が派手に辺りに響き、俺の影が吹っ飛ぶ。


 と同時に、俺は地下への階段へと一目散に走った。


 地下への階段を降りると、影の世界の右の部屋へと上った。

 そのまま黒い家から出る。


「危なかった……多勢に無勢か……囲まれたらどうしようかと思ったぜ!」


 完璧に大勢に囲まれると、いくら心影流でも不利だった。

 俺は冷や汗とも疲労の汗ともとれる汗を流して、恵さんの家へと向かった。


 真っ暗な道路を桜の花弁が舞っている。

 花弁が地面に敷き詰められているのか、踏んだ感触が心地よかった。


 荒い呼吸も整ってきたから、あることに気が付いた。


「そういえば、山に登るんだよな……」


 俺の家の近辺に登山用の道具を売っている店は一軒だけある。

 俺は進路をホームセンターへと変えた。


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