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虎倉街の偽の射影たち  作者: 主道 学


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23/54

近所をもっと調べてみよう その5

 が……。

「すいませーーん!! 今度買いますーーーー!!」


 俺は本屋を飛び出し猛ダッシュ。

 でも、なんていうか、店内の照明が弱くてか薄暗いが凄く落ち着ける本屋だったな。マジでまた来てもいいかな?

 

 近所を散策していると、空は柔い暗黒からどんよりとした暗闇になった。

 俺を包み込む空気もやたらと寒くなってきた。


 そして、やっと来た。

 問題の黒い家に……。


 黒屋根に黒い扉。それ以外は何の変哲もない普通の家だった。

 近づくと、窓から大勢の祈りの声が聞こえてくる。

 どこか、おどろおどろしいその声を放っているのは、他でもない影だった。


 うぎっ?!

 この部屋の中。

 全員が影だ!!


 俺は窓から中の様子を窺っていた。

 そこには、地下への扉があって、影はみんな床に平伏してお祈りをしていた。

 そして、徐々にお祈りを終えた影から地下へと扉を開けて降りていった。

 辺りには俺の影は見当たらなかった。


 地下には何があるんだ?


 そう思ったら、さすがに怖くなった。

 今さらながら、妹を屋敷に置いておいて良かったぜ。


 全員の影が地下へと降りてしまうと、俺は黒い扉から室内へと入った。

 さあ、玄関から右の部屋にある扉から地下へ降りてみよう。


 本当に地獄や魔界に繋がっていたりして……。


 一歩、一歩、地下への階段を降りると……。


 うぎっ?!


 そこは、さっきまでいた黒い家の右の部屋だった。

 俺は部屋にあった地下への階段を何故か……上っていた??

 いや、確かに降りたんだ……!!


 うーん???


 不思議だが、階段を降りるとまた同じ部屋へと戻るようだ。

 まるで、ゲームの世界の無限ループだ。


 だけど、何かが違った。

 家の外へ行ってみよう。

 黒い家だったところから外へ出ると、そこはスッキリとした朝日が射す虎倉街の住宅街だった……。


 驚いて、出てきた家を振り向くと、そこは黒い家ではなくて白い教会に変わっていた。


「うぎっ!! ここは……どうなってるんだ!! 女神さま!! いや、あーー! わかった!! やったー!!  多分、戻れたんだ!! 表の世界に!! ここには俺の家があるはずだから! 帰れるんだ!! 早速、妹を呼びに……あれ?」


 住宅街の通行人たちは何故か全て真っ黒な影だった……。


 異様な雰囲気が包み込んでいて、本当にここは虎倉街なのかと俺は思った。

 周囲の生活の音が木霊して、自動車も影が運転している。

 自動車のクラクション、チャイムの音、「行ってきまーす」とかの日常会話。


 音だけは、それぞれのいつもの喧騒が聞こえてくる。

 だけど、全て影たちによるものだった。

 ここでは、影たちが普通に生活をしているんだ。 


「な……なんだってんだ! ここも影の世界なのか?!」

 

 俺は暴走する不安を、一旦立ち止まらせた。

 ここは表の世界のはずだ。

 そう、俺たちの世界だ。

 だけど、辺りは影たちが生活をしていて、普通の人が一人もいない。

 

「と、とりあえずはだなあー。近所をもっと調べてみようか……」

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