学校へ行ってみよう その5
学校から少しだけ歩くと、大豪邸の門から入った芝生の中だった。青々としてとげとげの芝生だらけの庭には、芝生以外もあるのだろうけど、俺には芝生以外は見えていない。
芝生。
芝生。
芝生。
「あ、そっちは池があるから。ていうか、気をつけてね。家かなり広いからどこかで怪我しても、すぐにはわからないの。あっちは薔薇の園」
「うぎっ。了解」
黒ギャルの恵さんが笑顔で、こんなのいつものことよ。と、いう感じで話していた。だが、俺と光はジャングルに迷い込んだ探検隊の気分だった。
「おにいちゃん。すっごい友達持ってるね……」
「いや、友達というよりクラスの憧れだった人。俺にとっては、特別なスーパークラスメイトなんだ」
「ふーん」
「光。そっちの方には薔薇の園があるらしいから近づかない方がいい。超広大な薔薇の棘が刺さると痛いぞ」
「ほい。おにいちゃん」
やっと道が開けた。恵美さんが、夜の闇から突如現れた大きな屋敷を指差した。
「あんたたちの部屋は、多分二階。一階は、応接室やら台所やらあるから」
「おう! ホントありがとな!」
「ありがとうございます!」
俺は改めて黒ギャル変化した恵さんを見てみると、ふと。こう思った。
現実世界の恵さんは、今どうしているのだろう? ……と。




