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双頭
『ミヘザ、良い報せと悪い報せ、どちらを先に聞きたいですか?』
「…えーと……良い報せから…。」
『シャタワリの位置を特定出来ました。セイロフ界を完全に破壊した後、ヘイダ界に向かったようです。恐らく力を取り戻すまでは移動しないでしょう。』
「………。」
『では悪い報せを。ヘイダ界では双魔神が待ち構えています。』
「双魔神?」
『シャタワリを守る二人の女神です。』
「女神…。それも二人…。」
『一人は刺繍入りのペルア。』
『もう一人は猛毒テロリストのクルーネ。』
『どちらも虐殺大好きな底辺のクズです。女神の面汚しです。
早々に始末してしまってください。』
「しかし、全力を出せば…。」
『心配要りません。ヘイダ界は1000年前に女神同士が殺し合った時、歪みひとつ起きなかったと言われています。
シャタワリがヘイダ界を選んだのも、その強度を評価してのことでしょう。
充電期間中に世界を破壊されたら流石にまずいですからね。』
「……では早速ヘイダ界に転送してください…。」
『…お気を付けて。』
ミヘザはメーシェに向かって敬礼し、メーシェはミヘザに軽く礼を返した。