継承
シャタワリの能力は判明したものの、それは何の打開策にもならない。
むしろ絶望のスパイスとなるだけ。
「あんなバケモノにどうやって勝てって言うんですか…。
命がいくらあっても足りませんよ…餌になるだけです…。」
『倒す方法は必ずあるはずですよ。神が簡単に弱音を吐いてはいけません。』
そうは言っても…。
攻撃そのものを『破壊』するようなヤツをどうやって倒すのか。
「…私が不甲斐ないばかりに……今も現在進行形で世界が破壊されている…なんて……もう考えたくもないです…。」
『誰もあなたを責めることは出来ませんよ。大丈夫。ほら、私の膝で大泣きしなさいな。』
「い!?……いえ、そういう気分では──。」
『ほら、遠慮せずに!』
「ムゴォ…!」
『あらあら、膝よりお胸が好きなんですか?ああ、何てかわいいんでしょう。
気の強そうな顔して案外甘えん坊なんですね。そんなギャップに私萌え死にしてしまいそうです。ホントかわいくてかわいくて仕方ないですねー、よしよし。』
「ムゴォ!ンムグ、ンムゥゥゥゥ────ッ!ンブ…ベホッ!(膝って言ったじゃないですか!そこは胸!胸!何か当たってます!顔が挟まれて苦しい!また死んじゃいますよ私!)」
『ああ…胸に暖かい息が…かかって……気持ち良いです…。』
「グゴゴゴ……。(タスケテ……。)」
ただのハグなら問題はなかったのだ。
だが、メーシェのこれはハグの領域を越えている。
しかも凄く力が強い。
やっと放されたかと思うと、
『や……やだ……ミヘザったらすごく強引……。』
「ウヘェ…もう突っ込む気力も体力もないです…。」
『そう?気づきませんか?』
「……へ……?」
『フフフフ…まあいつか分かるでしょう。今はそれで良いです。フフフフ…。』