PRODUCE 3 中二の文化祭
＜第四章＞
いよいよ12月29日から3日間・・・
国内最大級の同人誌即売会「コミックマスターズ」がおこなわれる。
この時期をどれだけ待ち望んだか
出し忘れた音源やクレジット名の不備が無いか、確認する。
まあタイトルや音源にミスがあれば…
ネットに公開するとか、ＣＤ裏の文字を使ったパスワードを書くとか、サイトで情報を追筆して対応はできる…
そういう対処法も、音屋の集うトゥイッターで情報交換できる。
なんとか完成イメージを考えて、そこからは見よう見まねで、
なんとかＣＤを創れるものだ。みんなも当たり前のようにやってるし、
為せば成る、ということだろう。
それもそうだが、ＣＤの製作に漕ぎ着けたのは
今日が最後の最後だから、というのもある
理由というのは、まず空想科学禁止条例の中に
ゲームの過失事故、または殺人事件にまで発展した
企業の開発プロジェクトがあり、その事件を連想させるキャラクターについて
遺族や国民から不謹慎だとか、負のイメージが定着してしまって
さらには犯罪思想を誘発させる１８禁ものや
VFXゴーグルを扱った同人ゲーなど
"制限される関連イベント"がコミマス主催側から次々と公表され始めたからだ。
それも事件の発生から半年のことで
夏マスから冬マスの間に作品を用意していた、特にキャラクターの挿絵を使っていた〓〓〓サークルのほとんどが入場キャンセルとなった。
なぜなら東京や世界中で、夜這い女の立役者であるバーチャルア〓〓ル
〓〓〓〓〓のプラカードを掲げて、赤いスプレーで×を付けたり、火を点けていたからだ。
黒子のバ○ケ爆破予告事件のように、原作に対する凶弾があれば
〓〓〓製品を売っている企業ブースから
その関連サークルやオンリーイベントも問題ありとして、当然その二次創作も禁止される。
クリキントン社製のＶＦＸゴーグルで事故が起きているのにも関わらず
〓〓〓を売り物にしているサークルに殺人予告が入ったりした、
ただ唯一の救いは、〓〓〓でないキャラクターを収録したものならＯＫということだった。
自分はクリキントン社製でなく、VHS社や株式会社サイバーネットのあえて誰も使わないトリッキーな〓〓〓音源を使っている。
その他海外の〓〓〓や同人のUTAIを使っているが、これもスタンダードなクリキントン社製音源より、レアなサウンドだからという理由だ。
ただ本製品よりも、派生製品の方が、滑舌や声色が良かったりするし
定番でない独特でクセのある声だとしても、優しめのボイスよりも鋭さや凶暴性が欲しいので
アイドルソング向きに作られたベーシックな本製品よりか、挑戦的な声をウリにしている規格外の他製品の方が
"反アイドル的なロック系やヒップホップ系の曲調"とマッチする、という理由からだ。
別にクリキントン社製を使ってもよいが、ラップ向きな「V Flavor」と「LANA」をつかっている。
しかし、徹夜明けで、
最後までミキシング調整に時間をかけて
休日返上で、〓〓〓調教や装丁デザインから何度も見直して
最後は少しミスがあり、ネカフェでＣＤのタイトル情報入力して
疲れ切って疲労困憊の中で
（パチパチパチパチパチ、ザー………）
開始の合図と拍手と足音の行列が混ざって
心地よい波音のようなものが鳴り響いた
まだ一枚もＣＤは売れてないが
この場に辿り付けたんだという誇らしさに
マンネリ化していた楽曲製作で
これまでになかった達成感を感じた
ただ参加できないサークルも居たが…
その分空いている自分のとこに
入場者が足を運んでくれていたのかもしれない
この曲良いですね!その一声に
どれだけ救われたかは定かではない
しかしもう１５時半、もうサンジハンか…と
溜息交じりに呟く
他のサークルもパイプ椅子を長机にあげて
帰りの都内バスや新幹線、空港の便に間に合うように、そそくさと引き上げている
自分もあと30分で、ギリギリ間に合うというところだ
もう少し余韻を楽しもう
もうすぐ終わる
俺たちの夏の風物詩がもうすぐで…
ざわざわ…
「おい、なんだよアイツら」
「主催者、あれは迷惑行為だ」
「早く追い出してくれない？」
「いいぞ、もっとやれ！」
「はは…俺も加わろうかな？w」
"オタク撤廃法案を取り下げろ！！"
"""オタク撤廃法案を取り下げろー！"""
"サブカル禁止条例断固反対！！"
"""サブカル禁止条例断固はんたーい！"""
"ＶＦＸと二次元の嫁を守ろう！"
"""ＶＦＸと二次元の嫁をまもろー！"""
"オタクを許さない世の中は、もうヤダー！"
"""オタクを許さない世の中は、もうイヤだー！"""
(いいぞ、もっとやれー！)(大丈夫かコレwww)(お前ら、やめとけって…)
"漫画アニメ好きを、犯罪者とか決めつけんなー！"
"""漫画アニメ好きを、犯罪者とか決めつけるなー！"""
(社会的にアウトだなぁ)(こいつらおかしいだろ)(でも羨ましいかもwww)
彼らオタクの叫びに
周りに居た参加者やサークルも呼応するように声を上げた
"好きなことを好きなようにやってwww何が悪いかー！www"
"""好きなことを好きなようにやって、何が悪いかー！"""
(デモの許可取ってんの？)(警察とかマジで来るって)(俺らも参加するか！)
その一言一言について
なぜか今も忘れられないでいる
まるで"俺たち"の晩年の思いを晴らすように
オタクというよくわからない人種に生まれてしまった
そういう人たちの叫びに
世間から何を言われても好きなことをしたいという
中学生並みのワガママでも
ただ好きなものは好きという感情に心が打たれた
それで空想科学条例の撤廃とか押し通せるわけもないが
しょせん趣味の範囲で子供の遊びで
いくら頑張ろうとも
社会のルールや周りの冷たい視線を覆せるわけはないが
そういう何かの一般常識や当たり前とか
普通の人生や社会人らしい生き方とかに
否応なしに"好きなこと"を取り上げられ
創作の衝動を
押さえつけられていた"学生たちの声"が
ただただイベント会場中にこだましていた
言葉の形がどうであれ
今回の事件があってもなくても
好きなことを止められない欲求が熱望が
誰もがいつか爆発するんだろう
"〓〓〓二次創作を、禁止しないで欲しい！"
俺だけじゃない
"俺らの歌姫を、テロリスト扱いするな！"
今でも覚えている
"大人たちは夢も、仮想現実すらも奪うのか！"
2056年は、デモ行進事件でイベントが見送りになった。
ただデモの賛同者は、できるだけ他のサークルを邪魔しない様に
三日目の夕方に、ネットで募集した、現地民と当日のサークルで"空想科学条例反対デモ"を開始したそうだ。
しかし、デモ隊の主催者から参加者まで、日本人の気質か、
街を壊すような暴徒は出ることは無かったが、
警察の任意同行に応じなかった一般市民までもが容疑者として逮捕されるなど
いつも以上に盛り上がり、そして多くの作家たちが深い悲しみに突き落とされた
デモ行進の際に、一部がVFXゴーグルや〓〓〓製品のフィギュアを所持していたのだ
路上でそれを持つことは、銃刀法違反ぐらいアウトだ
ついに継続不可能となった
「去年の冬マスで、同人活動が続けれなくなってしまって…」
「君も趣味で音楽とか〓〓〓やってたのか」
「○○という会社で、新作のVFXゲームを作っておりまして…」
「専門学校のヤツも居る、作家に厳しい世の中になったなぁ」
「空想科学条例って、アニメや漫画も強い規制がされるのか」
今では、囚人の中のほとんどは
サブカルオタクが関の山となった
ただ普段から創作について会話することが
日常化している
拘置所の中でサークルごとに作者名を紹介し合い
企画を立てて絵やマンガを書いて
一つの作品にしようと
様々な分野の作家を募集してる人もいる
ただ自分は
パソコンが無いと作曲が出来ない
ラップを書いて即席で歌えるが
ちょっとした小説も書けるが
音楽が無いと話がうまくまとまらない
〓〓〓が使えないと俺の得意な〓〓ラップですらない
中にはプログラマーやグラフィッカーも居るわけだ
よくわからないが
誰かが自殺した
仕事や家庭のこともあるだろう
そのことで思い悩んでいたとか
よくわからない
ただ今の気持ちを歌詞にしよう
その方が幾分と楽だからだ
やっぱり好きなものは好きらしい
たとえ、鉄格子の中の月曜日、オタク廃棄処理、これが行政措置
僕たち中二末期、更生の日々、シナリオ構成し、空想性の歌詞
フロウ結合し、手を叩く四拍子、誰に言われてもこれが好き
止められないんだ〓〓〓P、白のＴ、着た囚人
理解されぬ問題児、ネットひがむ引きこもり、ネットであう同人
初めて趣味が通じ、心変わり求人、愚民から社会復帰、そう思い続けてついに囚人
空想と科学の禁止、ファンタジーに依存する病気、それが社会の常識
国民から払われる税金、吸い取る俺らはばい菌、ほら冷たい飯、三度の飯よりピアノ楽器
お腹が空きすぎて餓死、そんなことより音楽好きすぎて瀕死、
取り上げないでマッチ、未来のワナビー、オナニーは無価値、金になる名人
けれど同じ作品、売れないＣＤなら腐った耳、使う手立ては詐欺まがいの金稼ぎ
荒稼ぎ、社会的に許された作曲権利、ならば生き残れる全員さむらごうち、僕はどっち？
ならば集まれ同志、夜中に工事、夢見るマーチ、周囲をサーチ、乱痴気騒ぎ
便所でこっそり、歌を録るひっそり、ＨＲ終わりきっちり、家に帰ったら即耳コピ
ＭＩＤＩ打ち込み、ホームワークのように、徹夜明けの授業日、席に付くぐったり
教室は快適？
みんな咳き込み、あの子悪いお行儀、いつも指差し、どうもありがとうご指摘
お前らの視線が強敵
黒板丸暗記合理的、どうでもいい無視、歌詞の続き、ノートに落書き、先生生徒困惑の意味
もしかしてＡＤＨＤ？
押さえつける鎖、まるで奴隷のドビー、隠し通すホビー、害児、強制労働の、文字通りのカイジ
ネット好きは陰湿な生まれ育ち、コソコソお家で一人遊び、なんて疑心暗鬼、無知に訴える容疑
隠れて弾き語り、オタクがバレて周知、それは羞恥
夢物語を志し、メッタ刺し鞭打ち、それが嫌で逃げ込んだＰＣという受話器、
広大で自由な電子の海、ネットスラムだけが隠れ家の秘跡、無名の名字ブロック回避
匿名然り問われない罪―"詭弁"、自伝与えられる呟きのお許し、目を悪くするが希望の光、
現実の繋がりを断ち切りオフライン
ヘッドフォン耳塞ぎ上げるゲイン、ほらまたジュラル星人、喋り出す呪文のように、お経のパンチライン
これは正当な八つ当たり、ノイジーマイノリティーでない大抵は愚痴ばかりの恨み節
世界中の自称ジャスティン＆バービー、デイリー毎時、ランキング一位の陣地
自分の才能信じ、モノ申すティーン
子育てマシーン
ムダに捨てた教育費、オレはきっとダメなガキ、他の子の方がマシ
ラダマーシー、神にお祈り、生まれたことに親はお怒り、浴びる叱責
空かない扉が唯一の出口、外に出れば俺は害児、出来損ないの性格は難儀
反社会コミュニティー、そこならば受け入れるだろうKillMeRapeMe
首吊りすれば誰もがぬか喜び、ムカつく、狂気、愉悦主義
彼らにとっての僕自身、夢追い人は疎ましい道楽人、
一生遊ぶ道楽人、選んだ道は現実逃避、楽しいことでただ働き？
そういう勝手な言いがかり、エゴの強い独り善がり
いつからか僕は遊び人、ただただ音楽が好き、純粋
オタク嫌いも君の趣味
とても内気で妬み嫉み社会のゴミ、それが作家のイメージ
窮地に追いやられてもう無理、繰り返す十二時、曲作り、続ける為に引きこもり
口々に話す毎回、あいつはマジキチ、星々は想うサンライ、歌詞書きの本懐、
スポットライトよりもラップしたい、ちょこっとでもReWrite、これが生き甲斐、
僕は変なラップ妖怪？ラップ現象ならば怪奇、減少する若い世代、
大多数ジャイニーズ以外のジャパニーズ地下アイドルという存在
オナラも才能も無味無臭じゃない、これ以上ヒカキンキッズ要らない
グッズ売れないやつらは散在、無収入と無職のダブルピースでグッバイ
気付けば働かない粗大ごみ、使えない人材、将来が心配、
博打に失敗したアーティストはドンマイ、業界は甘くない、理解したら趣味は止めな今後一切
好きなことがしたい人一倍、その言葉が通じない人外、殻に閉じこもり次第に貝になりたい、
邪魔をしないで審査員、値札を付けるか付けないかのMakeMoney
どこまでも付き纏う自己投資、夢の宝くじ、当たれば黒字、外れたら借金、期待を借りた浪人
いつかプロになれるという告知、今はテロリストと仲良く、獄死して袋小路、今がきっと清算の刻
のろい屍骸、重くなる視界、これは呪い、
目を開けてはいけない、盲目の自己愛、それだけが心の城塞
潔癖症のシャイガイ、典型的症状、電波的ライムが点滴と言える、サブカルウォーズ戦うジェダイ
成績表の欄外、そこに自分らしい将来、若気の至りを燃焼、学校の窓を割って正解
損害賠償請求書、夢を見過ぎた慰謝料と騒音被害の迷惑料、気付けば警視庁の拘置所
50年後クライム加害者、暗い奈落に落ちた、おまいら除け者の外野、もう明けないガイア
放課後のワンタイム、動画投下後のマイリス、等身大のサイズ現す縮図
そこに自分らしい廃材のサンプル
あと少しで為せば成る、そういい続けてプリズンブレイク、遊郭のダッチワイフ
殻に閉じこもるBitchLife、youtube出逢うフリースタイル
俺のありのままを語るアイドルtoバーチャルヒップホップとLoveる
お口チャックＺＩＰＬＯＣＫ、捌け口にアウトロック、気持ちを外にダフトパンク
出すぞラップ、これがきっとラストダンク、もう受けない指図、これが僕にとってのマスト曲
カスと言う、お前らに好きなことを論じる、能わずにレビュー、しかしコンテニュー
まともに応じる誠実、それはつまり一般人に転じる刑事告発、私は動じぬ死刑も克服
6百6十6の罰と罪を被る怪物、あいつは音楽好きなサイコパス、バーチャルアイドル偏執ラブ
懲りない自覚、危ないヤツという差別の中でオタクは死ぬ、憧れのゆるふわガール
ナツキスバル飛ばしたオーガズム、黄色いスメル、キモデブドリーム
世界一可愛い枕を抱いてお陀仏、ブスほどラブドール、イケメン美少女ブーム、
部屋に陳列する性質、まるで湿ったカビ対策に乾燥材を入れたブーツ、
ロリコンには少女観賞用パソコン、なんでも揃えれるグラフィックアート、
彼らは一生無いものを埋めるのが仕事、辿り付けない結婚ルート、
音楽は思想発するワード、マイワールドただ記録するための創作的手法、
東京行きチケット代わりの卒業証書、学校をExit、上京して８マイル高速道路、花の大江戸逃避行
そこから始まったコミックマーケット、新居マンション、そういう進路もあったでしょう
もしもアナザーワールド、もう一つのシナリオ、そこでもきっと自称アーティスト
まだ分からない想像上のフィクション、理想は理想のままの虚像、
謎のアカウント、偽造のヒーロー、置いていくこれが僕なりの遺言
最後まで空想が好きだったという証拠、それ以外に何もないほど脳ミソは空っぽ
真っ黒な回想、苦悩と葛藤、リセットできない主人公、
演算する記憶処理階層、何もない結果はゼロ、マイナスにもプラスにもなれない生き物
明るくなれない性格上、幸せと不幸の中間層、悪い方向に思考回路スイッチオン、
黒歴史ノートを塗り潰す白色、この文字の線路、脱線した迷路
途切れるまでが"なろう"の寿命
まるでアポロ計画カゲロウプロジェクト
それは蜃気楼、壮大なマスターベーション、空中爆破エクスプロージョン
小説家ですらない紛い物、神様も描けないくらい下手糞
絵空事ですら浮かばない煩悩、音色ですらないフロウ、
しかし君の脚本はただのお経か禅問答、アニメ化は実現不可能
オウムの宗教、あの教祖でも再現してるアニメスタジオ、
お前に足りないのはイマジネーションよりも多くの信仰
きっと作品で最低限必要なのは、"発表者"と"視聴者"の相互干渉
大ヒットの法則は"２人以上"の需要、その上に成り立つのだろう
高校の頃、後悔と挫折の模範生徒、はっとして死亡
コミケ行きの空港、どうやら俺にイベントはつきもの
エンジントラブル墜落事故でヘヴンズゲート、紆余曲折あって憂慮の外、
百年後スクールオブザデッド、もう僕は縛られないゴーストアカウント、
死後の世界はまるで脳ミソ漂うサイバーネット、最初に考えたのはやっぱり音楽のこと
死ねばもろとも、天国の最下層、そこでは誰もがアウトロー、言葉で表現し合う
第１４の使徒たち奏でるビート上、福音のエヴァンゲリオン、誰もが正当なる平等な教科書
君を縛るものはもう無い、心からありがとう、そしておめでとう
君は自由になる為に生まれたんだ、迷い子に与える表彰状
