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お兄ちゃん?

みなさまごきげんよう。

わたし、藍崎ほのかといいます。

実はわたしには2つ年上のお兄ちゃんがいます。

お兄ちゃんはわたしの目に入れても痛くないぐらいかわいいです。

え? お兄ちゃんなのにかわいいはおかしいって?

いえいえ、そんなことありません。

もう、お兄ちゃんはわたしが夜中に夜這い、もといい添い寝をするとわたしのにギュウーって抱きついてくるんです!

お兄ちゃんはそんなことしてないって顔を真っ赤にして否定しているけど、毎晩のことなので本当です。

それに、赤くなって一生懸命にそんなことないって言いはる時の顔がかわいくてもー、思い出すだけでも……うへへへへへ……

――おっと失礼しましたちょっと素のわたしが出てしまったようです。

それでですね、少しすると瞳をウルウルさせて上目づかいでわたしを見てくるんです! うひょおおおおおおお!

おっと、お兄ちゃんの話になるとつい素の自分が出てしまいますね。いけないいけない。

まだお兄ちゃんを語るにはまだ序の口ですが、お兄ちゃんのかわいさをほんの少し分かっていただけたでしょうか。

ええ、そうです。わたしは世間一般的に言う『ぶらざーこんぷれっす』と言うやつなのです。

なのに! なのにですよ!? なんとお兄ちゃんに彼女が出来たという噂があるのですよ。

キィーッ!! いったいどこの骨の馬の女が、わたしのおにいちゃんを毒牙にかけたのかを確かめてやるのです!!

と、いうわけお邪魔虫はこのキン○ョールでイチコロです。

……もちろんキ○チョールは冗談ですよ? いくらわたしがぶらざーこんぷれっくすだからってそんな犯罪まがいのことしませんよ?

本当、本当です。本当。

大切な事なので三回言いました。

まあキン○ョールはおいといて、まずはわたしのお兄ちゃんに彼女がいるという噂の真意を確かめなくては夜も眠れません。

しかし、なんで今日突然そんな噂が立ったのでしょう? 火のないところに煙は立たないとは言いますが、今日突然なんて……。

いつもは朝お兄ちゃんと二人で登校するのですが、今日はわたしが日直だったので、真面目で通っているわたしがサボタージュするわけにも行かず、断腸の思いで少し早く登校しました。

そして、朝のHR前に調子が悪いから今日は休むと連絡がきました。下駄箱に靴が入ってないのも確認したので、本当にお休みしているようです。

そのあとの授業は集中できるわけもなく、周りから体調が悪いと勘違いされ、保健室に連れて行かれ、あれよあれよいう間に早退することになり、こうして家に帰ってきたわけですが――。

なんか、仮病で早退したみたいな罪悪感が……まあ、あのままでは授業なんてまともに頭に入らなかったでしょうし、よかったのかもしれませんね。

よ、よし! とりあえず気持ちを切り替えて、お兄ちゃんの看病をしましょう。風邪のときのお兄ちゃんはとーってもかわいいですからね。

もちろん普段もかわいいですが。

――まあ、いつまでも玄関先にいてもしかたないですし、対面的には早退した事になっているので少し調子悪そうにしてましょうかね。


「ただいまー」


もしかしたらお兄ちゃんが寝ているかもしれないので、起こさないよう、静かに家に上がります。

そして、もちろんまっすぐお兄ちゃんの部屋に向かいます。

部屋の前まで着いたら、軽く深呼吸してからノックして、


「お兄ちゃん、起きてる?」


すると、中から気配がするものの返事はありません。


「お兄ちゃん、寝てるの? 入るよ?」


と、返事を待たずにあけるとそこにはいつものお兄ちゃんが――

いませんでした。

代わりに床に女の子座りで、驚いた顔でこっちを見て固まって、髪の毛が床に広がるぐらい長いどこから見ても女の子にしか見えないその人は――、いやでも……。


「……もしかして、お兄ちゃん?」

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