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第六話 再確認

俺は今日も嘉織のアパートにいる!


昨日の事は思い出したく無い・・・ある意味悪夢だ!


あと、また朝俺の配置替えがあった。


今度はなんとあれだけ嫌だったベランダだ!


何故俺がベランダにいるかと言うと、昨日嘉織が俺にキスをし過ぎて唾だらけになってしまった事が原因らしい・・・


その後俺は風呂場で洗われて今、天日干しされている!


だがベランダも暑い事を除けば悪くは無い!


外の景色が見える!


しかもここは四階・・・


隣は公園・・・その向こうが学校だな・・・生徒が外に出て何かやっている。

多分体育の授業だろう・・・


【ジョー】「やっほ~!」


同然声は響かない!


俺はぬいぐるみだからな!


隣の公園を見る・・・小さい子供が母親と遊んでいる。


ここからじゃ遠くて容姿は確認できない!


今は9月、夏がもうすぐ終わりを迎えるがまだまだ暑い!


俺の体の毛は電気カーペットの様に熱を持っている!


バサバサバサ・・・・


俺の横に一羽のペリカンがとまった・・・・


【ジョー】「何故ペリカンがいるううう!!!!」


ペリカンはクワ~と、鳴きながら俺にクチバシを当ててくる!


【ジョー】「ええい!やめろ!」


その時ペリカンが俺を足で掴み大空に羽ばたいた!


バサバサバサ!


俺の体は宙に浮いた!


【ジョー】「うひよおおお!」


足元を見ると目が眩む・・・


さっき見ていた公園の上を通過する・・・


まるで鳥になったみたいだ!


【ジョー】「ジョーちゃんとんだ~、屋根までとんだ~、屋根までとんで~、壊れて消えた~♪・・・・消えたらだめだろおおお!!」


ヤバイ・・・・余りのショックで乗り突っ込みをしてしまった・・・


ペリカンはクワ~と、鳴きながら何処までも飛んで行く!


俺も何処までも飛んで行く!


一体どうなってしまうんだ・・・俺は?


まさかこいつ・・・外国まで飛ばないだろうな・・・・


外国って言ったらアメリカか?


もしアメリカに行ったら・・・向こうは熊のぬいぐるみが大人気みたいだ!


色んな人達にチヤホヤされ、俺ぐらい愛きょうのある顔立ちだとテレビの人気者になったりしてな・・・・悪くない!


いや、ダメだダメだ!俺には嘉織という可愛い彼女がいるじゃないか!


すまん、アメリカの子供逹よ・・・俺の事は諦めてくれ。


その時急にペリカンが俺を離した!


【ジョー】「あ~れ~・・・」


俺の体は空から真っ逆さまに落ちて行く!


このまま下に落ちれば俺は死ぬのか?


いや、ぬいぐるみだから壊れるのか?


まるでスカイダイビングだ!


風圧で俺の顔は歪んでいる!


【ジョー】「あががが・・・」


下が見えた!ヤバイ!町中だぞ!


このままではぬいぐるみが空から降って来たと、おお騒動になるだろう!


そしたらテレビ局も来て、俺がテレビに映り、みんなの人気者に・・・・・悪くない!


いや、ダメだダメだ!俺には嘉織という可愛い彼女がいるじゃないか!


そんな事を考えてるともう地面が近い!


このままでは、人の頭に落下する!


【ジョー】「いやああああ!」


ドス・・・ン!!!


俺は地面に落下した・・・・おかしい?


何処も壊れていない!


何が起こったんだ?


【嘉織】「えっ?ジョーちゃん?」


【ジョー】「かおりいいい!」


俺は驚いた!嘉織の顔が目の前にあった・・・


俺は嘉織に抱かれている!何故?


【嘉織】「ビックリしたあ!嘉織が太極拳してたらジョーちゃんがいきなり現れたんだもん!」


太極拳・・・・町中のオフィス街で?


さすが嘉織だ・・・・・


太極拳の動きだったから俺を抱える事が出来たのか・・・


いや、普通の人には無理だ!


ぬいぐるみといっても、空から降って来るぬいぐるみなんて鉄球の様に重いだろう!


さすが俺の彼女・・・


羨ましいだろ!


【嘉織】「そっかあ!ジョーちゃん嘉織を迎えに来てくれたんだねええ!」


嘉織・・・どう考えてもぬいぐるみが空から降って来るなんてあり得ないだろ!


【嘉織】「嘉織ねえ、もうすぐ仕事終わるから一緒に帰ろ」


【ジョー】「まっいいか・・」


俺は嘉織という彼女をもっている喜びを再確認出来たいい一日だったな・・・と、思っていた。












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