第四話 怖い空気作り
帰って来たのはいいが・・・
いや、良くない!
俺の目線の先にはさっきの男がいる!
何故お前が嘉織の部屋に来ている!
俺の今の配置は、ベッドの背もたれ部分に立て掛けられている・・・
いつでも男を狙える距離だな。
【男】「ゴメンね、僕も着いて来ちゃって」
【嘉織】「ん?全然大丈夫だよ!お腹すいたんだったら早く言ってくれればいいのにい・・
嘉織こう見えても料理得意何だよお!」
嘉織、こう見えてもは言わなくていいぞ!
【男】「へえ~そうなんだ・・」
男が部屋の中を見回している・・
嘉織は必死で何かをキッチンで作っている・・・
俺は終止男に呪いをかけている!
【ジョー】「死ね~!死ね~!死ね~!」
男が何かソワソワしだした!
【男】「嘉織ちゃん?」
【嘉織】「ん、なあに?」
【男】「何か凄い視線を感じるんだけど・・・この部屋誰も居ないよね・・・」
【嘉織】「私とジョーちゃんだけだよお~」
【男】「そうだよね・・・嘉織ちゃん以外には居ないよね」
俺が居るよ、嘉織も言ってんだろ!
【ジョー】「男と女はドライブ中、真夜中道に迷い暗い夜道を車で走っていました・・・」
【男】「ごく・・・・」
【ジョー】「そこに1軒のペンションを見つけます・・・
ペンションに入ったカップリンルは雨で濡れた身体を払いながら人を探しますが誰も居ません・・・」
【男】「・・・・・・」
【ジョー】「その時彼女がトイレに行きたいと行ったので男はトイレの外で待っていて、女が用を足していると・・・
ピチャ・・ピチャ・・ピチャ
まるでずぶ濡れの人の足音がしてきたのです・・・」
【男】「・・・・・・・」
【ジョー】「女が入っているのは三部屋中の一番奥の個室です・・・
バタン!一番手前の個室の扉が開いた!
女は彼氏だと思ったが・・・・
おかしい・・・・
一番奥の個室に入るからと言ってトイレに来ていたからだ!
バタン!まん中の扉が開いた音がしました・・・
次は女が入っている個室しかありません!
女は恐怖でガタガタ震えていました!
その時ドアがガタガタ揺すられ始めたのです!」
【男】「ブル・・何か鳥肌がたってきたな・・・」
【ジョー】「女が声を押し殺していると揺れがおさまりました!
女が安心して上を見上げると・・・血だらけの彼氏が・・
お前がトイレに行ったからだあああ!!!!!!!」
【男】「うわあああ!」
【嘉織】「えっ!どうしたのお?」
嘉織がビックリして駆け寄って来た!
【男】「いや・・何だか不思議に怖い気持ちになって・・・」
【嘉織】「あ~あるある、嘉織なんてしょっちゅうだよお」
嘉織しょっちゅうはヤバイだろ!
くそ!俺の怖い空気作りも効かないか!・・いや、ある意味効いてたか?
嘉織が料理を持ってきた!
【嘉織】「はい!出来たよお」
【男】「うわあ!美味しそうなハンバーグだね」
【嘉織】「もお、違うよおお!」
【男】「え?どう見てもハンバーグだけど・・・」
【嘉織】「嘉織スペシャルだよおお!」
【男】「そ・・そうなんだ!」
出た!嘉織スペシャル・・まあ、唯のハンバーグなんだけどな・・・
嘉織が俺をいつもの座椅子に座らせた!
【男】「へ?ジョーちゃんも一緒に食べるの?」
【ジョー】「羨ましいだろ!」
【嘉織】「もう!当たり前じゃない!おかしい事言わないのお」
世間一般に言うとおかしいのは嘉織だよ・・・
【男】「あ!・・そうだよね・・・ゴメンね」
男はおどおどしている!