小暑
七夕でもある今日、高校2年の井野嶽幌と双子の姉の桜は、友人らを招いて、パーティーを開いた。
ちょうどインターホンがなり、彼らが来たことを知らせていた。
「いらっしゃーい」
桜が友達を家へと上げた。
「おう、準備で来てるよ。まずは短冊にお願い事でも書いといてな」
台所に立っている幌が、やってきた面々に言う。
「おじゃましますね」
まずは山口鈴だ。
それに、鈴の彼氏の永嶋山門や、双子の陽遇琴子と雅姉弟などがやってきた。
「でけたー」
琴子が短冊にお願い事を書いて、さっそく笹につけていた。
「俺の分も残しとけよ。まだ飯作ってる最中なんだから」
「分かってるって」
山門が幌に言う。
「しかし、今日は暑いねえ」
鈴が言った。
「今日は小暑だからだろうね。そろそろ梅雨明けだし、小暑か大暑から立秋までを暑中というんだ。いわゆる暑中お見舞いの、暑中だね。このころから暑さが本格化するっていう目安だね」
「だから暑いのかー」
桜が、自身が書いた短冊を笹にひっかけながら幌に言った。