世界の天才を何百年もハゲ散らかしている奇書「ヴォイニッチ手稿」、実は「大富豪の悪ノリ」で作れる説
600年ほど前のある日、ふと、大富豪が思いついた。
「読めない本ってカッコよくね?」
大富豪はさっそく職人に相談する。
「素晴らしいすね、旦那。しかし、あっしに本の中身は作れやせんぜ」
「中身なんか俺の厨二病日記でいいだろ。金出すから作ってよ。あ、雰囲気は錬金術師の秘密の魔道書っぽくしてね」
「がってん承知」
こうして、職人は誰にも読めない奇書……後にヴォイニッチ手稿と呼ばれるものの制作に着手した。
例えば手順はこうだ。
大富豪に準備してもらった日記を、文字単位まで分解する。
「今日は暑いな」→「kyou ha atui na」
それを一旦混ぜて、英語っぽい文法で再配置する。
kyo au aat suin
別に文法的に完璧である必要なんかない。それっぽい配置ならOKなのだ。
そしてこの文章に専門分野っぽい接頭文字を付ける。
Qokyo qoau qoaat qosuin.
最後に準備しておいたデザイン文字に変換する。
これでもう、作った職人ですら読めなくなった。
それを元の文章とは無関係な錬金術っぽい挿し絵を書いた本へ書き込んで、出来上がったのがヴォイニッチ手稿ってわけだ。
出来上がった物を見て大富豪は喜んだ。
装丁は高級だし、さっぱり読めない不思議な文章もある。
しかし自分で書いたものが元になってるから、内容はよく知ってるものなのだ。
そんなわけで、大富豪はサロンで友人に自慢する。
「すごいだろ? お前には読めないだろうけど、これは高名な錬金術師の書いた秘密の魔導書なんだぞ」
おかげでサロンでは、大富豪は人気者になれた。
やがて月日が経つと大富豪は死に、読めない奇書が残った。
息子は思った。
「親父の残した、すごいっぽい本だし、高値がつくだろう(読めないけど)」
巡りめぐった結果、その本は神聖ローマ皇帝のルドルフ2世の手に渡った。
その後は有名な話のとおり、ありとあらゆる天才たちが挑戦し、敗北し続けて、今日ではAIまで解析してる奇書となった。
しかし、そもそも平文から暗号化された時、そこまで厳密に文法が守られていたわけじゃないんだ。
それっぽいだけで良かったんだから、よくて8割、下手すれば5割に届かない精度の変換だ。
でも一応の法則性はあるから、ぱっと見はすごく暗号っぽいって事実。
もちろん、再度解読なんか出来るわけない。
これが、未来永劫解読不可能な奇書「ヴォイニッチ手稿」は誕生秘話だったのだ。
なんて事を思いついたけど、意外とこれが真実かも知れないよな?




