第6話『仲間たち』
シェルター第七支部――
雑居ビルの地下に広がる、異能者たちのための拠点。
リカに連れられて施設内を歩くユウトは、
そこが思ったよりも”普通”なことに驚いていた。
壁一面に設置されたモニター、
遠くで鳴る訓練器具の音、
誰かの笑い声――
恐ろしい場所を想像していた。
けれど、ここには温かな空気があった。
「まずは、仲間を紹介するね」
リカが振り返る。
その瞬間――
奥から勢いよく、赤毛の青年が駆け寄ってきた。
「おーっ、あんたが新入りか!」
声が大きい。
破顔一笑の陽気な男だ。
「九重タケル。みんなにはタケルって呼ばれてる!よろしくな!」
タケルはガシッとユウトの手を握った。
その手は、驚くほど熱かった。
「……如月ユウト、です」
ユウトは戸惑いながらも、握手を返す。
「ガチガチに緊張してるな!最初はそんなもんだ!
ま、ここは安心しろ!無駄にいい奴しかいねぇからよ!」
タケルは豪快に笑った。
◆ ◆ ◆
次に現れたのは、眼鏡をかけた落ち着いた青年。
「西堂セイです。タケルみたいなのばかりじゃないから、安心して」
セイは、ふっと微笑んだ。
「この施設で戦術指導や情報分析を担当してる。
何か困ったら相談して」
「……はい。よろしくお願いします」
ユウトも頭を下げる。
セイは、温厚そうな顔の奥に、鋭い眼光を隠していた。
◆ ◆ ◆
最後に、廊下の向こうから、
勢いよく手を振りながら少女が駆けてきた。
「やっほー!君が新入りくん?!」
元気いっぱいの笑顔。
茶髪ショートボブ、制服を少し崩して着こなしている。
「春野ハル!ハルでいいよ!私もちょっと前にここにきたんだ!同期組ってことで、仲良くしよ!」
彼女は勢いよくユウトの手を握る。
その軽やかなテンションに、ユウトはたじろいだ。
「……うん。よろしく」
◆ ◆ ◆
こうして、
九重タケル。
西堂セイ。
春野ハル。
シェルターの仲間たちが、ユウトの前に現れた。
思っていたよりも、
ここは温かい。
「君に、まずは体験任務を受けてもらうよ」
リカが言った。
「任務、ですか」
「うん。もちろん、いきなり戦えってわけじゃない。
簡単な探索任務――体験みたいなもの」
リカは、小さな手帳を開いて、スケジュールを確認する。
「担当は、私とタケル。ユウト君、君も一緒に」
タケルが豪快に笑った。
「おう!任せとけ!楽しくいこうぜ、新入り!」
ユウトは、タケルの笑顔を見て、
少しだけ、心の奥が緩むのを感じた。
(ここでなら――)
そんな思いが、ほんの小さな芽を出し始めていた。




