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ユウキ・ノ・カケラ  作者: ハキ
第1部
7/67

第6話『仲間たち』

シェルター第七支部――

雑居ビルの地下に広がる、異能者たちのための拠点。


 


リカに連れられて施設内を歩くユウトは、

そこが思ったよりも”普通”なことに驚いていた。


 


壁一面に設置されたモニター、

遠くで鳴る訓練器具の音、

誰かの笑い声――


 


恐ろしい場所を想像していた。

けれど、ここには温かな空気があった。


 


「まずは、仲間を紹介するね」


 


リカが振り返る。


 


その瞬間――

奥から勢いよく、赤毛の青年が駆け寄ってきた。


 


「おーっ、あんたが新入りか!」


 


声が大きい。

破顔一笑の陽気な男だ。


 


「九重タケル。みんなにはタケルって呼ばれてる!よろしくな!」


 


タケルはガシッとユウトの手を握った。

その手は、驚くほど熱かった。


 


「……如月ユウト、です」


 


ユウトは戸惑いながらも、握手を返す。


 


「ガチガチに緊張してるな!最初はそんなもんだ!

ま、ここは安心しろ!無駄にいい奴しかいねぇからよ!」


 


タケルは豪快に笑った。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


次に現れたのは、眼鏡をかけた落ち着いた青年。


 


「西堂セイです。タケルみたいなのばかりじゃないから、安心して」


 


セイは、ふっと微笑んだ。


 


「この施設で戦術指導や情報分析を担当してる。

何か困ったら相談して」


 


「……はい。よろしくお願いします」


 


ユウトも頭を下げる。


 


セイは、温厚そうな顔の奥に、鋭い眼光を隠していた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


最後に、廊下の向こうから、

勢いよく手を振りながら少女が駆けてきた。


 


「やっほー!君が新入りくん?!」


 


元気いっぱいの笑顔。

茶髪ショートボブ、制服を少し崩して着こなしている。


 


「春野ハル!ハルでいいよ!私もちょっと前にここにきたんだ!同期組ってことで、仲良くしよ!」


 


彼女は勢いよくユウトの手を握る。

その軽やかなテンションに、ユウトはたじろいだ。


 


「……うん。よろしく」


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


こうして、

九重タケル。

西堂セイ。

春野ハル。


 


シェルターの仲間たちが、ユウトの前に現れた。


 


思っていたよりも、

ここは温かい。


 


「君に、まずは体験任務を受けてもらうよ」


 


リカが言った。


 


「任務、ですか」


 


「うん。もちろん、いきなり戦えってわけじゃない。

簡単な探索任務――体験みたいなもの」


 


リカは、小さな手帳を開いて、スケジュールを確認する。


 


「担当は、私とタケル。ユウト君、君も一緒に」


 


タケルが豪快に笑った。


 


「おう!任せとけ!楽しくいこうぜ、新入り!」


 


ユウトは、タケルの笑顔を見て、

少しだけ、心の奥が緩むのを感じた。


 


(ここでなら――)


 


そんな思いが、ほんの小さな芽を出し始めていた。

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