第45話『フードコート再集合!』
フードコートの一角。
一通り見て周ったみんなが集まってきた。
「おつかれー!」
ハルが両手を大きく振った。
「ちゃんと集合できたな」
タケルがにやりと笑いながら、
テーブルに山のように買い込んだフードを並べ始めた。
その隣で、セイはぐったり座っていた。
「……もう、無理だよ」
小さな声で、ほとんど自分に言い聞かせるように呟く。
そんなセイを見て、
リカがぽつりと呟いた。
「……これ、全部食べるの?」
その冷静すぎる指摘に、
タケルとハルは一瞬きょとんとしたあと──
「……食う!!」
「もちろんっ!」
元気よく親指を立てた。
ミナは小さな手でお茶を配りながら、
一生懸命みんなのフォローに回っていた。
「これ、どうぞっ」
「ありがとう、ミナさん」
シュンが穏やかに受け取り、
リカも無言で手を伸ばしたあと、
ふっと優しい目をしてミナに小さく頷いた。
「うん」
たった一言だけど、
リカの中にある静かな優しさが滲んでいた。
ユウトは、その様子を静かに見ていた。
──こういうのも、悪くない。
そんな感情が、胸の奥にじんわりと広がる。
「うお、パフェが倒れた!」
タケルが大声をあげ、
テーブルの端でパフェが倒れ落ちそうになる。
「ちょ、やばっ!」
ハルが慌てて手を伸ばし──
結局、二人してクレープのクリームまみれになった。
「……バカだね」
リカがぼそりと呟き、
ミナがくすくすと笑った。
セイは静かにハンカチを差し出す。
「これ、使って」
「ありがとよ、セイ!」
タケルとハルは満面の笑みを浮かべた。
──ただの、普通の時間。
誰かと一緒に笑って、
何気ないことで騒いで、
小さな温かさを分け合う。
ユウトは、そっと目を細めた。
「──食べ終わったし、そろそろ、帰るか」
タケルが腕時計を見ながら言った。
それぞれが頷き、
ゆっくりと、立ち上がる。
モールの出口へ向かう、その歩幅は。
少しずつ、確かに、
同じリズムで揃っていた。
──そして。
モールから少し離れた、見えない場所。
一人、遠くから様子を見ていたシェルターの監視員が、
無線を取り出して小声で報告を入れた。
「加賀見司令、全員……とても楽しそうでした」
無線の向こうから、低い声が返ってくる。
『──そうか』
それだけ短く。
だが、その声にはほんのわずか、
柔らかな色が滲んでいた。
無線の奥、司令室。
加賀見シンイチは、
誰にも見られない場所で、静かに微笑んだ。
──小さな絆が、今日もまた、
確かに育まれていく。
次の話で、第1部終了です!
第2部も是非見てくださいね!
ハキ




