表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユウキ・ノ・カケラ  作者: ハキ
第1部
46/67

第43話『それぞれの時間』

モール内


ハルが両手を大きく広げた。


「で? どこ行くー? せっかくだし、好きなとこ見て回ろうよ!」


ハルの提案に、

それぞれが小さく頷いた。


「俺は……フードコート行きてぇな」


タケルが即答する。


「わたしも食べ歩きしたい!」


ハルが嬉しそうに手を挙げた。


「私は雑貨屋さん、見てみたいかも……」


ミナが控えめに言った。


「じゃあ、俺も一緒に行くよ」


シュンが自然に隣に立った。


「……私は、服でも見る」


リカがカジュアルに答えた。


ユウトは一瞬だけ迷ったが、

無言でリカの隣に並んだ。


「俺は……本屋かな」


セイが手に資料袋を持ったまま、小さく答えた。


「オッケー!じゃあ、みんな一通り見終わったら

フードコート来てね!!」


──こうして、自然にグループが分かれた。


・ハル&タケルはフードコートへ。

・シュン&ミナは雑貨屋エリアへ。

・ユウト&リカは洋服売り場へ。

・セイは単独で本屋へ向かった。


──モール内、雑貨屋エリア。


「これ、かわいい……」


ミナが棚に並んだ小物をじっと見つめていた。


「こっちも似合いそうだよ」


シュンが、小さな髪留めを手に取って差し出す。


ミナは顔を赤らめながら、そっとそれを受け取った。


「ありがとう……」


シュンは静かに微笑むだけだった。


──フードコートエリア。


「うおー! どれもうまそー!」


ハルがきらきらした目で屋台を見渡す。


「とりあえず、片っ端から食うぞ!」


タケルが豪快に宣言した。


「賛成!」


ハルは嬉しそうに拳を突き上げた。


串焼き、たこ焼き、クレープ──

次々に食べ歩きながら、2人は大笑いしていた。


「……あれ?」


ふとハルが目を細めた。


「セイじゃん!」


──本屋の帰り道、セイがフードコートに現れた。


「やぁ」


軽く手を挙げるセイに、

タケルとハルが同時に走り寄る。


「よし、セイも食え!」


「これ、めっちゃうまいよ!」


タケルが肉串を、ハルがクレープを、それぞれセイに押し付けるように差し出した。


「……いや、俺は──」


セイが困ったように目を伏せたが、

タケルとハルの勢いに押されて、

結局肉串を受け取った。


「……ん。うん、美味しいね」


無表情のまま頷くセイに、

ハルが満足そうに笑った。


「ほらほら、もっと食べなって!」


「次これな!」


どんどん料理が積み上がっていく。


セイは静かに、小さなため息をついた。


──みんなそれぞれ、違う場所で。

でも、同じように、確かな時間を過ごしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ