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ユウキ・ノ・カケラ  作者: ハキ
第1部
42/67

第40話『芽吹き──小さな畑、小さな変化』

──数日が経った。


 


シェルターに流れる空気も、

ようやく落ち着きを取り戻してきた。


 


訓練棟の破損箇所も修復が進み、

医療棟ではハルが順調に回復しているという。


 


そして──


 


シェルターの中庭に、

新しい“命”が芽吹き始めていた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「……ここ、いいかな」


 


ツムギが、そっとしゃがみ込む。


 


中庭の一角、

柔らかい土を手で均しながら、

小さな苗を植えていく。


 


春でもないのに、

青々とした葉が、ツムギの指先からそっと育っていった。


 


異能──植物を育てる力。


それを使い、

ツムギは自分なりに、

ここで生きる意味を見つけようとしていた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「おお、すげぇな」


 


タケルが感心したように声を上げた。


 


ユウト、リカ、シュンも、

それぞれ少し離れた場所から畑を眺めている。


 


セイは資料を片手に、

ツムギの活動をメモしていた。


 


 


「思ったより本格的だね」


 


リカがぽつりと言う。


 


 


「……すごい、です……」


 


シュンも目を輝かせていた。


 


 


「いや、マジで助かるぞ。

 これから食料自給率とかも大事になりそうだしな」


 


タケルがツムギに親指を立てる。


 


ツムギは照れたように、小さく会釈した。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


ユウトは、

静かにツムギの手元を見つめていた。


 


生きようとしている。


この場所に、

根を張ろうとしている。


 


──その姿が、

どこか自分自身と重なって見えた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


ツムギの小さな畑。


そこに芽吹く緑は、

このシェルターでの、

新たな希望の象徴だった。

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