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ユウキ・ノ・カケラ  作者: ハキ
第1部
32/67

第30話『反撃の狼煙──導く眼と応える拳』

──戦場の空気が、さらに張り詰める。


 


カイと、ユウトとリカ。

三者が、正面から対峙していた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「まとめて潰してやる……!」


 


カイが唸り、

黒いフードの下で拳に異能を集中させる。


 


──異能【震壊しんかい】。


 


殺気が地面を震わせるほど濃密に満ちる。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


ユウトとリカは、横並びに構えていた。


だが。


互いに無言で呼吸を合わせたりはしない。


 


リカは、リカの役割を果たす。


──冷静に、指示を飛ばす。


──ユウトは、それに従って動く。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


リカの瞳が鋭く光る。


──異能【量子視りょうしし】。


 


オーラの揺らぎが、次の行動を示していた。


 


 


「──ユウト、右に避けて!」


 


 


指示が飛んだ瞬間、

ユウトは迷いなく体を動かす。


 


直後、カイの拳がユウトのいた位置を砕き裂いた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


リカの銃撃が、カイの腕を牽制する。


ユウトは即座に距離を詰め、

カイの脇腹に拳を叩き込もうと踏み込んだ。


 


 


「──上から来る、かわして!」


 


リカの声が再び飛ぶ。


 


ユウトは咄嗟に身を屈め、

カイの振り下ろす拳をかすめるだけで躱した。


 


 


(──すごい……!)


 


 


リカの指示が、正確にカイの動きを封じている。


 


それに合わせて、自分も戦えている。


今、確かに──

自分は【戦力】になれている!


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「ユウト、正面から叩き込んで!」


 


リカの鋭い声に、

ユウトは拳を固めて踏み込んだ。


 


全身の力を込め──


 


──ドゴォッ!!!


 


 


拳が、カイの腹部に炸裂する。


 


カイが低く呻きながら後退した。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「チッ……小癪な……!」


 


カイが殺気を迸らせながら踏み込み直す。


 


だが。


リカの量子視が、それすらも読み切っていた。


 


 


「──次、左から!」


 


 


ユウトは即座に反応し、

カイの拳を紙一重で躱しながらカウンターを叩き込む!


 


 


──ズガァン!!!


 


 


カイが大きくバランスを崩す。


 


そこを、リカが銃撃で追撃!


 


 


──バンッ!!


 


 


銃弾が、カイの右肩を弾き飛ばす。


 


さらにユウトが全身を捻って、渾身の拳を振り抜いた。


 


 


──ドガァァン!!!


 


 


カイの顎に直撃。


黒いフードが揺れ、

カイの身体がくの字に折れ、そのまま地面へと叩きつけられた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「……が……」


 


カイは呻き声を上げかけたが──

そこで意識を手放した。


 


 


──カイ、気絶。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


戦場に、静寂が落ちた。


 


 


ユウトとリカは、互いに視線を交わす。


 


リカは小さく息を吐き、

ユウトは、汗まみれの顔で小さく笑った。


 


 


──今、確かに。


仲間として。


戦えていた。

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