第28話『戦場交錯──目覚める力』
──戦場に響く、破壊音と絶叫。
ユウトは、
獅堂カイと一対一で向かい合っていた。
◆ ◆ ◆
「……クソガキが……」
カイが、
黒いフードの奥で
獣じみた唸り声を漏らす。
──異能【震壊】を纏いながら。
◆ ◆ ◆
ユウトは、
震える膝を無理やり立たせた。
──絶対に、倒れない。
──守る。
背後にいる仲間たちを想い、
拳を固く握り締める。
◆ ◆ ◆
「──お前を殺して、あの逃げた奴らも皆殺しだ」
カイが吐き捨てるように言い放った。
──ハル。
──ターゲット。
──仲間たち。
ユウトの胸の奥で、
何かが爆発した。
◆ ◆ ◆
「──やめろおおおおおおッ!!!」
吠えるように叫びながら、
ユウトは拳を振り抜いた。
──ドンッ!!!
拳から放たれる、
目に見えない衝撃波。
カイ目掛けて一直線に走る!
◆ ◆ ◆
「……ッ!」
カイは避けきれず、
肩にかすった衝撃を受けた。
ドン、と鈍い音が鳴り、
カイが一歩、よろけた。
◆ ◆ ◆
カイは即座に踏み込み、
怒りに任せてユウトの腹に拳を叩き込んだ。
──ドゴォッ!!!
衝撃が全身を貫く。
ユウトはふらついたが──
倒れない。
吹き飛ばされることもなく、
地面に踏みとどまった。
(──耐えた……!)
◆ ◆ ◆
そして。
ユウトは拳を握り締め、
そのままカウンターを放つ。
──ドンッ!!
ユウトの拳が、
カイの脇腹に突き刺さった。
◆ ◆ ◆
「……ッ!」
カイの動きが一瞬、止まる。
ほんのわずかだ。
だが──
今までのユウトならありえなかった一撃。
カイは
わずかに目を細め、
静かに舌打ちした。
(──チッ……こいつ……)
油断できねえな。
そんな本能的な警戒が、
カイの中に芽生えた。
◆ ◆ ◆
ユウトは、
肩で大きく息をしながら
拳を握り直した。
まだ、戦える。
まだ、守れる。
◆ ◆ ◆
その頃──
リカは瓦礫の外を大きく迂回し、
ハルとターゲットを発見していた。
「──見つけた!」
すぐに駆け寄り、
二人を支えながら、言う。
「行こう。……ユウトのところへ!」
ハルも、ターゲットも、
力強く頷いた。
◆ ◆ ◆
三人は。
崩れた戦場を駆け抜け──
仲間のもとへ向かう。




