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ユウキ・ノ・カケラ  作者: ハキ
第1部
30/67

第28話『戦場交錯──目覚める力』

──戦場に響く、破壊音と絶叫。


 


ユウトは、

獅堂カイと一対一で向かい合っていた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「……クソガキが……」


 


カイが、

黒いフードの奥で

獣じみた唸り声を漏らす。


 


──異能【震壊しんかい】を纏いながら。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


ユウトは、

震える膝を無理やり立たせた。


 


──絶対に、倒れない。


──守る。


 


背後にいる仲間たちを想い、

拳を固く握り締める。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「──お前を殺して、あの逃げた奴らも皆殺しだ」


 


カイが吐き捨てるように言い放った。


 


 


──ハル。


──ターゲット。


 


──仲間たち。


 


 


ユウトの胸の奥で、

何かが爆発した。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「──やめろおおおおおおッ!!!」


 


 


吠えるように叫びながら、

ユウトは拳を振り抜いた。


 


 


──ドンッ!!!


 


 


拳から放たれる、

目に見えない衝撃波。


 


カイ目掛けて一直線に走る!


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「……ッ!」


 


カイは避けきれず、

肩にかすった衝撃を受けた。


 


ドン、と鈍い音が鳴り、

カイが一歩、よろけた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


カイは即座に踏み込み、

怒りに任せてユウトの腹に拳を叩き込んだ。


 


 


──ドゴォッ!!!


 


 


衝撃が全身を貫く。


 


ユウトはふらついたが──

倒れない。


 


吹き飛ばされることもなく、

地面に踏みとどまった。


 


 


(──耐えた……!)


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


そして。


 


ユウトは拳を握り締め、

そのままカウンターを放つ。


 


 


──ドンッ!!


 


 


ユウトの拳が、

カイの脇腹に突き刺さった。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「……ッ!」


 


カイの動きが一瞬、止まる。


 


ほんのわずかだ。


だが──


今までのユウトならありえなかった一撃。


 


カイは

わずかに目を細め、

静かに舌打ちした。


 


(──チッ……こいつ……)


 


油断できねえな。


そんな本能的な警戒が、

カイの中に芽生えた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


ユウトは、

肩で大きく息をしながら

拳を握り直した。


 


まだ、戦える。


まだ、守れる。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


その頃──


 


リカは瓦礫の外を大きく迂回し、

ハルとターゲットを発見していた。


 


 


「──見つけた!」


 


すぐに駆け寄り、

二人を支えながら、言う。


 


 


「行こう。……ユウトのところへ!」


 


ハルも、ターゲットも、

力強く頷いた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


三人は。


崩れた戦場を駆け抜け──

仲間のもとへ向かう。

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