表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユウキ・ノ・カケラ  作者: ハキ
第1部
29/67

第27話『絶望と希望──リカ、突破へ』

──瓦礫と煙に包まれた戦場。


 


リカは、

崩れた壁の影に身を潜めながら、

深く、静かに息を整えていた。


 


──ユウトたちと合流する。


 


それが今、

自分にできる唯一の選択だった。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


瓦礫の隙間から、

紅眼と黒環の残党たちが交戦しているのが見えた。


 


どちらも、異能を持つ者たち。


だが、混戦のせいで隊列は乱れており、

隙も多い。


 


 


(……突破できる)


 


リカは、

帽子を深く被り直し、

ジャケットの下のガンホルダーから小型拳銃を引き抜いた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


──パンッ!


 


乾いた一発。


瓦礫の陰から姿を現していた黒環の戦闘員の足元を撃ち、

バランスを崩させる。


 


敵が振り返った隙に、

リカはすばやく反対側の瓦礫へ跳んだ。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「──何だ!? 敵か!?」


 


「紅眼か!?」


 


混乱する戦闘員たち。


リカはその隙に、

瓦礫の合間を低く、静かに駆け抜けていく。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


紅眼の異能者が重力を操作し、

瓦礫を浮かせる。


 


それに気づいたリカは、

すかさずオーラを読む。


 


軌道予測。


踏み出す方向を計算。


 


 


──ズシン!!


 


瓦礫が空気を裂く音。


リカは一瞬早く横に転がり、

僅かな隙間から滑り出た。


 


 


──パンッ!!


 


瓦礫を飛ばした紅眼戦闘員の近くに牽制射撃。


殺す必要はない。


あくまでも、道を開くため。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「──このままじゃ……!」


 


黒環の戦闘員たちが動き出す。


だが、

リカは冷静だった。


 


彼らの視線が紅眼に向いた一瞬を見逃さない。


 


混戦を逆手に取り、

一気に抜ける。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


跳ねるように瓦礫を飛び越え、

リカは戦場の外へと飛び出した。


 


振り返らない。


 


──今は、敵を相手にしている暇はない。


 


守るべきもののために。


絶対に、辿り着かなければ。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


リカは、

赤いスカジャンをはためかせながら走った。


 


その目には、

まっすぐな意志だけが宿っていた。


 


──必ず、仲間たちのもとへ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ