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ユウキ・ノ・カケラ  作者: ハキ
第1部
28/67

第26話『決意の一歩──ユウト、初めての反撃』

──獅堂カイが迫る。


 


黒いフードに黒いマスク。

そこから溢れるのは、

鋭く、濁りない殺意だった。


 


 


ユウトは、

背後にハルとターゲットを走らせながら、

カイの前に立ち塞がった。


 


──逃げない。


──もう、絶対に、逃げない。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


カイは、ゆっくりと歩を進める。


 


フードの奥から、

かすれたような声が漏れた。


 



「……ヨォ。見つけたぞ、坊主」


 


低く、獣じみた声。


 


その声に、

ユウトの背筋が微かに震える。


 


──でも、退かない。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


次の瞬間。


 


カイが、地面を蹴った。


 


爆発音すら置き去りにする速度で、

ユウトへ突進してくる。


 


 


(……速い!)


 


 


ユウトは本能的に攻撃体勢をとる。


 


その瞬間、

胸の奥で何かが弾けた。


 


 


──守る。


 


──絶対に、2人を守る!


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


ユウトの胸元が淡く光り、

空気が震えた。


 


──断片フラグメント


 


 


踏み込むカイに向かって、

無意識のまま、透明な衝撃波が

鋭く放たられた。


 


 


──ドンッ!!!


 


 


空気が裂け、

大地が低く唸る。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


カイは咄嗟にステップで重心を逸らし、

まともに受けるのを回避した。


 


──だが。


 


完全には避けきれなかった。


 


 


衝撃波はカイの肩をかすめ、

その身体を横に弾き飛ばす。


 


ズザザザッ──!


 


瓦礫を蹴散らしながら、

カイは数メートル滑った。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


ユウトは、

拳を握り締めたまま、必死に呼吸を整える。


 


 


確かに──

今、自分の力が届いた。


 


(……まだ、やれる)


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


カイは、

フードの奥で低く笑った。


 


 


「……クク。……チッ.....クソったれが」


 


 


小さく舌打ちしながら、

まるで狩りを楽しむように、

ゆっくりと歩き出す。


 


 


「──借りは、きっちり返さねぇとな」


 


 


その言葉に、

ユウトの背筋が冷たくなる。


 


 


──殺しに来ている。


 


──遊びでも、好奇心でもない。


 


ただ、

かつての暴走で負った傷への、

冷たく、粘着質な復讐。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


それでも──


 


ユウトは、退かない。


 


 


拳を握り直す。


 


背後に、守りたい人がいる限り。


 


 


「……来いよ」




震える声。


 


それでも、


──膝も、腰も、心も、絶対に折れない。


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