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ユウキ・ノ・カケラ  作者: ハキ
第1部
25/67

第23話『カイ乱入──断片発動

──戦場は、制御不能だった。


 


黒環と紅眼が互いにぶつかり合い、

異能と怒号が飛び交う地獄絵図。


 


リカとハルは必死に戦い、

ユウトはターゲットの女性を守りながら、

必死に周囲を見張っていた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


──そのとき。


 


空気が、変わった。


 


リカが表情を引き締める。


 


「……来た」


 


 


──ズシン。ズシン。


瓦礫を踏み砕きながら、

黒いフードを深く被り、

口元を黒いマスクで覆った男が現れた。


 


黒に染まったその姿と鋭い眼光は、

この戦場で異様なほどの圧を放っていた。

 


 


──獅堂カイ。


 


紅眼の中でも、

特に危険視される狂戦士。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


カイの視線が、

ターゲットを守るユウトに向けられる。


 


フードの奥で、

ニヤリと笑ったように見えた。


 


 


──次の瞬間。


 


カイは迷いなく地を蹴った。


 


獣のようなスピードで、

ユウト目掛けて突撃してくる。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


「ユウト!!」


 


リカが叫んだ。


 


ユウトは、反射的にターゲットの前に立った。


 


だが、

カイの突進は速すぎた。


 


 


その瞬間。


 


ハルが飛び出し、

ユウトを突き飛ばした。


 


代わりに、

ハルの小さな身体に、カイの拳が叩き込まれる。


 


 


──ドゴッ!!


 


鈍い音。


 


ハルは吹き飛び、地面に叩きつけられた。


 


 


「ハル!!」


 


ユウトが絶叫する。


 


ハルはかすかに笑って、

そのまま意識を失った。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


──心が、割れた。


 


守れなかった。


それでも──守りたい。


 


その想いだけが、

ユウトの胸に、爆発するように溢れ出した。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


ユウトの身体から、

淡い光と震える空気が立ち上る。


 


──断片フラグメント


 


 


カイが警戒しながら突進してくる。


 


その瞬間だった。


 


 


ユウトの体から、

真っ直ぐ前へ、透明な衝撃波が放たれた。


 


 


──ドンッ!!!


 


カイだけを正確に捉え、吹き飛ばす。


 


 


瓦礫を蹴散らしながら、

カイは地面に叩きつけられた。


 


右腕を押さえ、

低く唸る。


 


 


──軽傷。


 


だが、確かに効いた。


 


カイは、

フードの奥から鋭い眼光を光らせたまま、

ユウトを睨みつけた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


ユウトは、

ターゲットと倒れたハルを背に、

拳を握りしめたまま立ち尽くしていた。


 


──絶対に、守る。


 


その決意だけを、

この胸に、深く刻みつけた。

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