第21話『敵の襲撃──第一チーム戦闘開始』
──ターゲット発見。
半壊した建物の中。
温室のようなスペースに、一人の女性がうずくまっていた。
第一チーム──ユウト、リカ、ハル。
三人は慎重に距離を詰める。
リカは周囲を警戒しながら、
ユウトとハルに小さく指示を飛ばす。
「私、見張ってる。
ユウト、ハル、ターゲットに声かけてて」
「了解っ!」
ハルが明るく答え、
ユウトも頷く。
◆ ◆ ◆
ターゲットの女性は、
怯えた目で彼らを見つめていた。
ハルが、できるだけ柔らかい声で話しかける。
「こんにちは!
私たちは“シェルター”っていう、異能者を守る組織から来たの!」
ユウトも続く。
「ここはもう危ない。
“紅眼”っていう異能の犯罪組織が動いてる。
……君を守りに来たんだ」
ターゲットの女性は、
戸惑い、警戒する。
「……どうして、信じられるの?」
ユウトは静かに答えた。
「信じなくてもいい。
でも──ここにいたら、危ない」
ハルも力強く頷いた。
「無理には連れて行かない。
でも、私たちは“守りたい”って本気で思ってる!」
◆ ◆ ◆
──そのとき。
通信端末に緊急信号。
指揮官・シンイチからの連絡だった。
「第一チーム、至急。
黒環が現地に向かってる。
敵異能は、幻覚、腐食、身体強化──」
リカが一瞬だけ驚き、
すぐに表情を引き締める。
──直後だった。
──ズガァン!!!
建物の壁が爆ぜた。
黒い忍者スーツのような格好をした黒環の工作員たちが、
煙の中から飛び込んできた。
◆ ◆ ◆
リカが即座に指示を飛ばす。
「ユウト、ターゲットと一緒に後ろで待機してて!
絶対離れないで!」
「……わかった!」
ユウトはターゲットの女性を守るように立ち、
周囲に目を配る。
リカとハルは、
自然に前へ出た。
リカは冷静に、
敵の動きを読み取る。
──量子視。
幻覚すら通用しない、その眼で。
◆ ◆ ◆
黒環の工作員たちは三人。
•【幻覚使い】:空間を歪ませ、視覚を混乱させる異能
•【腐食使い】:触れたものを腐らせる異能
•【強化型】:身体能力を極限まで引き上げた異能
幻覚に包まれた空間の中でも、
リカは正確に敵を視ていた。
「ハル、右二メートルに腐食使い!気をつけて!」
「了解!」
ハルが低く身をかがめ、
腐食使いの攻撃をギリギリで避ける。
リカは冷静に位置を把握しながら、
指示を飛ばし続けた。
「ハル、左の壁沿い、強化型、来てるよ!」
「っ、わかってる!」
ハルはターゲットの方を絶対に振り返らず、
ただ敵を引きつけ、かわし、
時には反撃を試みる。
◆ ◆ ◆
ユウトは、ターゲットの女性の隣に立ち、
必死に周囲を見張っていた。
──まだ、戦えない。
──でも、守りたい。
拳を、強く握った。




