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ユウキ・ノ・カケラ  作者: ハキ
第1部
23/67

第21話『敵の襲撃──第一チーム戦闘開始』

──ターゲット発見。


 


半壊した建物の中。

温室のようなスペースに、一人の女性がうずくまっていた。


 


第一チーム──ユウト、リカ、ハル。


 


三人は慎重に距離を詰める。


 


リカは周囲を警戒しながら、

ユウトとハルに小さく指示を飛ばす。


 


「私、見張ってる。

 ユウト、ハル、ターゲットに声かけてて」


 


「了解っ!」


 


ハルが明るく答え、

ユウトも頷く。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


ターゲットの女性は、

怯えた目で彼らを見つめていた。


 


ハルが、できるだけ柔らかい声で話しかける。


 


「こんにちは!

 私たちは“シェルター”っていう、異能者を守る組織から来たの!」


 


ユウトも続く。


 


「ここはもう危ない。

 “紅眼”っていう異能の犯罪組織が動いてる。

 ……君を守りに来たんだ」


 


 


ターゲットの女性は、

戸惑い、警戒する。


 


「……どうして、信じられるの?」


 


 


ユウトは静かに答えた。


 


「信じなくてもいい。

 でも──ここにいたら、危ない」


 


ハルも力強く頷いた。


 


「無理には連れて行かない。

 でも、私たちは“守りたい”って本気で思ってる!」


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


──そのとき。


 


通信端末に緊急信号。


 


指揮官・シンイチからの連絡だった。


 


「第一チーム、至急。

 黒環が現地に向かってる。

 敵異能は、幻覚、腐食、身体強化──」


 


 


リカが一瞬だけ驚き、

すぐに表情を引き締める。


 


 


──直後だった。


 


 


──ズガァン!!!


 


建物の壁が爆ぜた。


 


黒い忍者スーツのような格好をした黒環の工作員たちが、

煙の中から飛び込んできた。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


リカが即座に指示を飛ばす。


 


「ユウト、ターゲットと一緒に後ろで待機してて!

 絶対離れないで!」


 


「……わかった!」


 


ユウトはターゲットの女性を守るように立ち、

周囲に目を配る。


 


 


リカとハルは、

自然に前へ出た。


 


リカは冷静に、

敵の動きを読み取る。


 


──量子視りょうしし


幻覚すら通用しない、その眼で。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


黒環の工作員たちは三人。

•【幻覚使い】:空間を歪ませ、視覚を混乱させる異能

•【腐食使い】:触れたものを腐らせる異能

•【強化型】:身体能力を極限まで引き上げた異能


 


 


幻覚に包まれた空間の中でも、

リカは正確に敵を視ていた。


 


「ハル、右二メートルに腐食使い!気をつけて!」


 


「了解!」


 


ハルが低く身をかがめ、

腐食使いの攻撃をギリギリで避ける。


 


 


リカは冷静に位置を把握しながら、

指示を飛ばし続けた。


 


「ハル、左の壁沿い、強化型、来てるよ!」


 


「っ、わかってる!」


 


ハルはターゲットの方を絶対に振り返らず、

ただ敵を引きつけ、かわし、

時には反撃を試みる。


 


 


◆ ◆ ◆


 


 


ユウトは、ターゲットの女性の隣に立ち、

必死に周囲を見張っていた。


 


──まだ、戦えない。

──でも、守りたい。


 


拳を、強く握った。

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