第20話『捜索開始──ターゲット発見』
──明け方。
薄暗い空の下、
ユウトたちは集合していた。
第一チーム──ユウト、リカ、ハル。
第二チーム──タケル、シュン、セイ。
全員が無言で、
それぞれの装備を確認する。
◆ ◆ ◆
「──出発だ」
シンイチの短い号令で、
2チームを乗せたヘリが出発する。
目指すは、
郊外にある、廃墟と森が入り混じるエリア。
ターゲットはそのどこかに潜伏している。
◆ ◆ ◆
第一チーム。
リカが先頭を歩く。
視線は鋭く、周囲を見渡している。
「……オーラの揺らぎ、微かにある」
リカが小声で告げた。
「マジ?」
ハルが驚いた声を上げる。
「まだ距離がある。
たぶん、この先の建物群のどこか」
リカは地図を確認しながら進む。
ユウトは無言でその後ろに続いた。
(──ターゲットは、すぐそこだ)
胸の中で、何かが小さく震えた。
◆ ◆ ◆
一方、第二チーム。
タケルが、前を歩きながら周囲を警戒する。
「まだ敵影なし。
シュン、バリア展開できるか?」
「うん……できる」
シュンが小さく頷き、
薄くバリアを張りながら歩く。
セイは端末を操作し、
リアルタイムで地形データを確認していた。
「このルート、視界が悪い。
どこかで待ち伏せされてもおかしくない」
「まあ、そんときはぶっ飛ばすだけだ」
タケルが軽く笑った。
だがその表情には、
いつもの軽さの奥に、確かな緊張があった。
◆ ◆ ◆
──そのころ、シェルター本部。
指揮官室で、加賀見シンイチは端末を睨んでいた。
通信が入る。
「黒環、動きあり。
対象地区に向けて、小規模部隊を展開中との情報!」
オペレーターの声が緊迫している。
加賀見は即座に判断を下す。
「……くそ、間に合うか。
リカ、セイ──すぐに追加情報を送れ!」
端末を操作し、
現場チームへ急ぎ新たなデータを送信した。
焦りは見せない。
だが、その瞳は確実に険しさを増していた。
◆ ◆ ◆
第一チームは、
廃墟の一角にたどり着いた。
リカが立ち止まる。
「……いた」
リカが指差す先。
半壊した建物の中、
小さな温室のようなスペースが見えた。
中に、一人の女性がいた。
小柄で、地味な服装。
だが、その周囲には異様な光景が広がっていた。
──花。草木。
──まるでそこだけ、春が来たかのような、生命の奔流。
「……間違いない。
ターゲットだ」
リカが小さく呟いた。
ユウトも、その光景に息を呑んだ。
──そして。
リカの表情が鋭く変わる。
「……別の気配。複数」
──黒環が動き出していた。




