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51話 捕虜

マルスは王都をぐるりと囲む事は出来なかった。マルスの軍は4000+1000の5000である。

兵5000は結構な人数だが王都を囲う事は出来ない。王都には東西南北に4つの門がある為にマルスは各1000の兵を配置した。



マルスが王都を囲んで配置した直後、マルスの位置する門(東)の反対側(西門)で中より軍勢が出てきた。その場所はトリスが指揮を執っている場所であった。

敵は約2000の兵でトリス部隊を突破しようとしている。2000の兵の後ろに20台あまりの馬車が待機している。どこかの貴族が逃げ出そうと兵を出したようだ。



2000の兵は門を出ると一旦停止した。馬車を守るように囲い込みトリス部隊に迫る。トリスもすぐに攻撃しない。トリスの部隊には魔法隊がいるが、馬車を逃がさないために攻撃をしていない。

2000の兵とトリス隊との距離が200Mを切った。西門との距離も100Mは離れたが、まだ逃げられそうだ。100M迄迫ったところで、「撃てーー、」トリスが言い放つ。

馬車を避けた攻撃は、あまり効果はなかったが、心理的には効果絶大であった。


馬車はそのまま突破を選択したようで、兵と共に突進してくるが所詮は馬車である。馬を殺せば動く事が出来なくなる。馬車を止める事は簡単であった。困ったのは馬車を守る兵たちであった。碌な防備もなく馬車を守れば、ただの的になってしまう。多くの兵たちは王都内に逃げ込んでいった。少ない兵に守られている馬車であるが、身動きが取れずに降参してきた。



そこに乗っていたのは貴族達であった。



トリスはマルスに伝令を走らせ。捕虜にした貴族をマルスに届ける事にした。捕まった貴族の態度が大きく、横柄であり、捕虜になったと言う自覚がない。五月蠅くて仕方がない。トリスは丸投げした。


マルスは捕虜を引き取ると、尋問もせずに閉じ込めてしまった。


丸一日後、一人一人捕虜を呼び、尋問を始めた。水も食料も与えていない状況で尋問した。

尋問は貴族ではなく、その従者や下働きの者達であった。素直に喋る者には水と食事を喋らない者には何も与えなかった。マルスは飢えの苦しみを知っていた。貴族以外の尋問が終わると、貴族達は次は自分だと思っていた。だが尋問はされなかった。尋問されない事は、水を得る機会を失うことである。


「み、みず、み”ず、み”、ずみ”ぃ”・・・」



そして翌日に本隊が王都に到着した。兵26000が王都を囲んだ。マルスは東門担当となり兵4000で固めることなった。


そしてまた尋問が始まる。


貴族達が叫ぶ、喉がカラカラで喋る事が困難な状況で必死に声を出す。何を言っているかが全く分からない。

マルスは興味のない目で見ている。


マルス「何を言っているのか分からない。」

貴族「み、み”、み”、、ず・・・お”ぐ、れ”」

マルス「何もしゃべらい者には水はやらない。有効な情報でないと、食事も与えない。万一嘘であれば餓死させる。お前は喋るか。」

貴族はうんうんと頷く。

マルス「よし、貴族達を一斉に尋問する。食い違いがあれば、餓死だ。」

マルスは最初に一杯の半分の水を飲ませる。さすがに水を与えなければ喋れなかった。

尋問はスムーズに進んだ。普段贅沢をしている貴族達である、丸二日水無しはかなり答えたようだ。捕虜として捕まり自由がなく。動く事も出来ない。


貴族達は王都が包囲される前に抜け出し領地に戻る事にした。まさか捕まるとは思っていなかったようだ。自分たちの都合の良い解釈をしていた。

貴族達は王都で噂を聞き、他の貴族と話、勝手に抜け出した。

王都(城)には、多くの貴族と私兵がいる。数の把握は出来なかった。貴族達も人数が解らなかった。

貴重な情報もあった。王都全体の食料が少ない。普通であれば半年程度は持つが私兵がいるために消費が激しく。だいぶ減っていると言う。


貴族達は水の為にべらべらと喋った。喋らないと水が貰えない。その為に必死になって喋る、作戦の事は当り前、貴族の秘密、王都の状況、知っている事を喋った。そして嘘が多くなってきた。もう喋る事がなくなってきたのだ。喋らないと水と少しの食料が貰えない。


マルスは、貴族達に提案する。手紙を書け。王都の者達、領地の者へ手紙を書き降伏させろ。手紙を1枚書けば水、2枚書けば食事を約束した。


貴族達は必至になって手紙を書いた。王都へ向けた手紙は、矢の先で結び王都内に撃ち込む。民が見るように撃ち込んでいく。

王都の中は、騒然としていた。包囲されて情報も入らない。それが突然外から手紙が矢で入ってきた。王都民たちは貪るように情報を欲した。手紙の内容は様々で、貴族の秘密、降伏の手紙、特定に相手に降伏勧告、王へに進言等、様々な手紙が撃ち込まていった。

王城内は、険悪になっていた。貴族の秘密が暴露された者、貴族に降伏を解く手紙、貴族の領地が降伏した手紙等で貴族同士が険悪になっている。そこへ食料の配給も滞ってきていた。

外からの支援が無い状況で、いつ裏切者が出るかで疑心暗鬼となり。殺し合いでも始まりそうな雰囲気となっている。


そして、クライシス侯爵が大きな旗を掲げ王都に到着すると王都民が門を開けるために決起した。

疎に事実に気付き。マルスは東門を魔法で破壊、中に突入した。もう王都での抵抗はビビ足るものでほとんど抵抗うけなかった。王城では多少抵抗もあったが、兵も貴族もやる気がなくなっていた。気力がなくなっていた。軍人でもない貴族達が指揮を執り、無理難題を言い合い。剣悪になり、手紙の攻撃で疑心暗鬼になり瓦解した。

もう、ダメ貴族の典型なようであった。


スレイト王国派ドズルを先頭に王城へと入った。これから仮の統治が始まる。


ドズルとクライシス両名に名で布告がなされた。ジャーマン王国の終焉である。ジャーマン王国は、無くなり、新たな国が建国されることが布告された。民は出入りの自由を与えられた。ジャーマン王国元貴族達は軟禁もしくは牢の中である。

民に示すために処刑等は一切実行されていない。今は取りこぼした各地の領地に兵を派遣している。

殆んどの領地は降伏したが一部の領地は抵抗して一族皆殺しとなっている。


そして各領地も全て降伏し、ジャーマン王国は完全に消滅した。

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