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43話 南地方の再編成作業

マルスは信じられなかった。レインズ侯爵が自分で戦場に舞い戻り、あっさりと捕まったのだ。


マルス「普通ありえないよね。」

デリ「ありえないな。」

モレガ「馬鹿なんだろうぜ。」

マルス「モレガの言葉が一番しっくりくる。」

デリ「・・・・仮にも侯爵何だがな・・・」


レインズへの取り調べはやらない。爵位の上の者であることと今さら取り調べをしても意味のない事であった。

(レインズ侯爵は護衛騎士を付けて王都へ移す)


マルス達はレインズ侯爵領と近隣領地の平定に動いた。広い領地である為にかなりの時間がかかり。東に軍を進める事が出来なくなってしまった。


デリ「マルス、南地域全他を接収する事は難しいな。こんな人数じゃ一生かっても無理だろう。」

マルス「生き残りで使う事の出来る貴族達を集めましょう。その者達を使いましょう。」

デリ「それしかないか。」



数日後、レインズの館に多くの貴族当主、又は当主予定の者が集められた。


マルス「お集まりの皆さん。私はマルス・ケントレー男爵です。この軍を率いています。この間の戦闘に参加した方もいるでしょう、ですが一旦保留とします。私は陛下より執行代理の委任状を貰っております。」

マルスは委任状を掲げる。


「「「「「「おおおおおおおお」」」」」」


これによって、マルスが許せば己が助かる事を確信した貴族達はマルスにすり寄っていく。

そんな事でマルスが篭絡されることもなく。上手く精査されていった。


この達者には食事会でもないが時間がかかる為に、多少の軽食は用意された。マルスは一人一人観察していく。


レインズ家の者達に貴族の聞き取りが加わり、本箔的に貴族面談が始まる。

この面談はデリック団長が面接官となり、色々と質問等を行う。マルスは聴くだけに徹する。


1人目、2人目とどんどん進んでいく。何しろ30人以上の面談となる。下手したら2,3日はかかる。

貴族達は必至だ。短く話を纏めようとすると引き延ばしに係かる。自分のアピールを永遠と喋ってくるものまでいる。一人1,2時間は当り前であった。


レインズ侯爵領を中心に20もの寄子の領地があり、その他12の領地が南には存在していた。

実際、先の戦いに参加した貴族派レインズ一派と他6家であった残り6家は不参加であった。この不参加6家は無条件で領地を返して、と思ったらこの6家没落していた。名目上貴族であり、領地も持っているが事実は領地なしであった。


マルス「何ですかこれは、こんなことありえるんですか。」

デリ「普通はないな。」


マルス達は仕方なく。貴族達に仕事を振り分けた。これは一貴族一人ではなく成人している貴族達個人に仕事を振り分けたのだ。

このやり方に燃えたのは次男以降の者達だった。さらに人員が足りないためにやる気のある令嬢たちも声をかけて仕事をされた。


その成果は劇的であった。長男相続が当たり前の世界で、広大な領地が一度リセットされた。多少は疲弊はしているが人、モノ、金がある場所だ。領地として申し分のない場所である。


貴族家族内では長男、次男,三男も領地貴族になる可能性が出てきた。協力し合ってみんなで領主になろうと言う家族と長男なんだから全て俺に協力しろという家族と色々な形が生まれていた。このタイプは次男や三男は独自に動き成果を見せていた、長男は今一の評価になる場合が多い。

女性しかいない貴族家も多く(男が戦死等)普通はは婿取り又は女領主となるが緊急時以外は女性領主は歓迎されていない。だが今回マルス。執行代理者がお墨付きを渡す事なる。正式に女性相続を認める事となる。そして女性陣も張り切って仕事をしていく。


マルスは南の領地再編成で悩んでいる。元の領地として大きな領地は勿論レインズ領である。後は伯爵領2つ、子爵証は5つ男爵領10準男爵領が14の合計32の領地になる。


「このレインズ領は王国の直轄地でいいかな。伯爵領は2つかここが問題だな」この伯爵領、当主がまだ生きているのだ。この当主が使い物にならない。レインズ侯爵の2番手と3番手というポジションであったが双方がいがみ合っている。どうにもならない二人なのだ。

グリード伯爵家 子供男2人 女1人 メイズ伯爵家 子供男2人 女2人となっている。グリード伯爵の男2人がかなり優秀だ。メイズ伯爵家も一人優秀な者がいる。だが親がどうにもならない。


貴族達に振り分けた南の領地統治と運営、ほぼすべての領地が安定して来た。大きな問題は無くなっている。この領地運営から優秀な者達を領地持ち貴族としてスレイト王国に忠誠を誓わせる。


マルス「この南は一度領地をひと纏めとした。皆の努力によって治安も安定し落ち着いた領地となってきた。そこで仕事をしてもらった者達に貴族家を新たに興してもらい領地持ち貴族となってもらう。

グリード「お、お待ちください。我がグリード家は先祖より・・・・」

マルス「グリード伯爵一応伯爵といいましたが今現在グリード殿は伯爵ではありません。領地を没収され保留状態です。ご理解ください。通常ならば、レインズ侯爵と共に王都へ行ってもらうのです。メイズ伯爵も同じです。」

グリード「だ、だが私の、領地が保留だ、だ、とう、こんなことが・・」

マルス「グリードを捕らえろ。反乱未遂だ。」

騎士「はっ。」

マルク「よいか反乱未遂だ。以前の件を入れてしまえば国家反逆罪となる。国家反逆罪は家族、一族郎党全て処刑となる。そうなるとここまで頑張った者達も処刑となる。私の調べでは、グリード伯爵家とメイズ伯爵家と親類関係にある貴族は、20家になる。よいか32家中20家だぞ。そしてレインズ侯爵家との親類関係を調べるとほぼすべての家が関係者となってしまう。これではどうにもならん領主なしの土地となるぞ。そこでレインズ家は単独としたのだ。分かったか。特にメイズ伯爵、本来であれば罪人だ。お前が余計なことをすれば今度は国家反逆罪を適用する。言葉と行動には十分気を付けろ。親類関係者も良く見張れ自分たちに跳ね返って来るぞ。



メイズ「・・・・・・・・」



これより優秀者を発表する。

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