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21話 派生スキル

マルスは村の防壁を作り終えて一息ついていた。

「フーー、やっと落ち着いたな。」


西13村は防壁を完成させていた。これで多少の魔物の襲撃は防げるはずだ。スタンビードのような物でなければ防衛は可能だろう。

マルスはこれで少しは安心して生活が出来ると一人感激している。村の生き残りと騎士たちそれに今は新しい村人(奴隷)がいる。


このところ村の人数も増えてきている。騎士の人数もかなり増えている。デリックが団長になったことも有るがこの場所で魔法の訓練、スキルの習得が秘密で行なわれていることはスレイト王国の一部の者しか知らない。マルスは一部の者しか知らないと言う事を知らないのであった。

マルスは隠す必要がないとの認識なのである。スレイト王国がマルスの事を秘密にしたいとは思っていないのである。

スキルの融合などは珍しいと思っているが融合、分離、鑑定などのスキルは少ないが持っている人はいる。

その為、マルスは頼まれれば誰にでもスキルを付けてやっていた。

そのためにスレイト王国の騎士団の中でデリックの騎士団がものすごく強くなっていた。剣も使え魔法も使える騎士は重要視される。

そしてデリックの騎士たちは口も堅く人格者だけを選んでいる。スレイト王国の一部の者達が選んだ騎士たちである。その者達は秘密保持の為に西13村へは来ていないが、騎士たちを入れ替えて騎士たちにスキルを手に入れさせていた。

騎士たちもスキルを活かせるようにこの村で練習に励み訓練をしている。訓練でも村全体がスキル持ちであるために騎士たちは自分たちが強くなっていることに気づかずにいた。

村では子供にも負けるダメ騎士となっていたが、一部の騎士たちが入れ替わりで王都へ戻った時にその成果を実感していた。王都の騎士たちが模擬戦を挑んできたがすべて勝ってしまったのだ。村では子供に負ける騎士が王都では一番の強者になってしまったのである。

この事実は王にまで伝えられた。

王は興味を持ち騎士たちの模擬戦を観戦したり騎士たちから村の様子などを聞いていた。

村の再開発などの進み具合や奴隷たちの待遇など色々な話を聞いていた。


「グレイトス公爵、西13村の騎士の話は聞いたか。」

「はい陛下、聞いております。」

「マルスは他に渡しては絶対にいかんぞ。」

「はい、分かっております。それとレギウス殿はどのようにいたしましょう。」

「レギウス殿か出来れば王城で暮らしてもらいたいが無理であろうな。」

「無理でしょう、マルス君と喧嘩するつもりなら可能でしょうがそんなことは出来ませんから。」

「そうだな、ならば西13村で生活してもらうのが一番だな。あそこの防衛力はこの国一番だからな。」

「そうです王都よりも防衛力があるでしょう。」

「防壁も築いたようだし、ますます防衛力が上がっているようだな。」

「はい、約10メートルの防壁だそうです、私も一度見てみたいですな。」

「無理だぞ、公爵が態々西13村へなど行ったら余計に注目を集めてしまうからな。」

「分かっています陛下。」



その頃、レギウスは悩んでいた。この村へやってきて自分の元生きていた世界と大きく違っている。文明が衰退していることが人類が一度滅んだことを証明しているようであった。

レギウスの知識は膨大である。その知識を伝える事が今この世界に必要なのか悩んでいる。

本にして後の世に伝える事も出来る。態々今文明の離れた世界に教える事もないのではと思っているのだ。もう少し文明が進歩した時に花開く事が多いと思っているのだ。今の世界では理解も出来ないだろうと思っている。そのためには村に学校や教育施設を作っていかなければいけない。レギウスは今子供や騎士たちに勉強を教えている。子供たちには簡単な勉強、騎士たちには戦略や戦術を教えている。

他にも生活に役立つものは数えきれないほどある。

魔道具の製作や薬草の調合、病気の治療など生活で必要な物は沢山あるのである。

レギウスが生きている間には教えきれない者ばかりだ。それを完全な形で残すことも出来ない。

だがレギウスは一つの可能性を見出していた。知識を残す方法である。

レギウスはマルスの融合と分離がつかえるのではないかと考えていた。

レギウスの持っていた膨大な書物と頭の中にある知識を複製出来ないかと考えていた。

融合、物と物を一つの物にする。分離、一つの物を分ける。鑑定、物や者の内容を調べる事が出来る。

レギウスは分離スキルを進化させる事を考えていたのだ。分離に何かの機能をつけ足せば複製が出来るのではないかと思っていたのだ。

レギウスは自分の知識の中で複製スキルはないが似たようなスキルを知っていた。スキルが進化することも知っている。過去の世界ではスキルを融合させてスキル進化をする者がいたからである。

転写スキル。それはある魔物がもつ固有のスキルである。

転写スキルと分離スキルを合わせると複製スキルになるのではと考えていたのだ。全く根拠のない話ではない。過去に転写スキルを分離機にとりつけた者がいた。それはその当時大きなニュースになっていた。物にスキルを付ける事が出来るなど誰も思わなかったのだ。機械の分離機は転写スキルを内蔵させた物になった。分離機が転写スキルにより同じものを作成できたのである。

レギウスは分離スキルと転写スキルを手に入れて実験することをマルスに相談することにした。


「マルス村長すこし話があるんじゃ。」

「何ですかレギウスさん。」

レギウスはマルスに複製スキルを作り自分の知識を後世に残したいことを伝える。マルスもその意義を理解して協力することを約束したのである。


「でもレギウスさん、それならレギウスさんがいた場所にスキルでは無くて他の機械もあるんじゃないですか。」

「そうじゃな、あるな。忘れておったわい。」

「スキル探しもやりますが、レギウスさんのいた洞窟の機械を移せるかを考えましょう。もし移せなくともそこで何か出きるかもしれませんしね。」

「そうじゃな。魔物探しは時間が掛るじゃろうから洞窟からやるか、あそこの機械は表に出ていないから大変じゃろうな。」

「やっぱりそうですか。あの部屋何もなかったですからすべて壁の中にあるんですね。」

「そうじゃ、壁の中と壁の向こうにあるんじゃな。」

「あの壁壊せるんですか。」

「普通の武器などでは無理じゃろうな。特殊な武器かマルスの分離スキルじゃな。」

「壁を分離すると言う事ですか。」

「よいかマルス分離とは物を分ける、分解すると言う事だ。今まで使われていたスキルの概念を一旦捨てるのじゃ。今までは分離スキルは物を離すスキルという事じゃな。だが違うぞ、分離とは物を分ける事なのじゃ、離すのではなく一つの物を元の物に分けるために離すのじゃ。」


レギウスは物の考え方をマルスに丁寧に説明をしていく。マルスもレギウスの考えが徐々に理解できるようになっていった。

分離スキル一つでも色々な使い方がある事が分かった。土を分離できることも実験をしながら理解できた。目に見えているのはただの土だが、土の中には色々なものが含まれている。水や鉄、酸や亜鉛など色々であった。

マルスは土や鉄、銅などを分離していった。そうすると分離スキルの派生だろうか分解スキルが生えてきたのだ。


マルスはスキルが派生する事は知っていたが自分が出来るとは思っていなかった。マルスはレギウスに派生スキルの事を聞いた。他に派生することが分かっている物を取得出来るものは取得するつもりであった。

レギウスは剣のスキルを例えに説明をしていた。剣のスキルは剣の使い方が上手くなるスキルである。剣スキルを手に入れると自然と剣を扱う事が出来るのだが、剣のスキルはそこまでである。そこからスキルを活かすことが出来るかである。スキルを使い毎日強い一撃を意識しながら剣を振り下ろしていく。毎日毎日やって行くと一撃スキルや強打スキルが生えてくると教えた。

この事はデリックとレギウスの3人で話し合われた。騎士たちに実験してもらうためである。

デリックは秘かに自分が実験する事にした。これは騎士団長であるデリックが一番強くなくてはいけないと言う使命感であるが、本音はスキルが欲しいからであった。


こうして騎士たちの厳しい特訓ではなく騎士たちの楽しい実験が始まっていた。


マルスはスキル集めの為に森の中を彷徨っていた。


レギウスは洞窟に籠り何かをやっている。


3人の目的は一つであるがデリックは一人楽しそうに訓練をしている。マルスは必死で魔物を探している、レギウスはぶつぶつと何かをいいながら不機嫌そうに作業をしているのであった。


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