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10話 騎士が来た

メイスン、セリル、ガレイス、モレガとマルスの5人は森まで来ていた。


「森に魔物が戻っていますね。まだゴブリンとか弱い者だけですけど。このまま放置していたら村に来ますね。」

「そうだな、スキルはスライムからしか取れないのか。」

「いいえ魔物なら何でも出来ると思いますよ、生け捕りにしないといけないのでスライムなんですよ。」

「そうか生きていないと出来ないのか。」

「それにスライムはいろレアなスキルを持っているんですよ。ゴブリンとかは殆んど同じものなのであまりお勧めはしませんね。」

「ちなみにゴブリンはどんなスキルなんだ。」

「ゴブリンはスキル無しがほとんどですね、スキルがあるゴブリンは棍棒スキルとたまに剣、槍もちがいるぐらいじゃないですかね。それならオークとかウルフの方がいいですよ。よくわかりませんがオークは強化というスキルがありますし、ウルフは俊足スキルがありますから便利ですよ。」

「強化ってあの強化かなモレガ。」

「多分そうだ。」

「ガレイスさん、強化って有名なスキルなんですか。」

「村長は知らないのか、強化はすべての力を底上げするんだ。人によって効果に差が出るがいいスキルだぞ。」

「そうですか人によって差が出るんですね。」


マルスたちは森を歩きながらゴブリンを倒して中へ進んでいく。


「あっいましたね。」

マルスは3匹のスライムを見つけ捕獲する。マルスはスライムに鑑定を使い確認をする。このスライム3匹はどれも火魔法を持っていた。

「このスライムは火魔法ですね。誰からやります。」

「セリルからでいいだろうか、セリルがこの中で一番弱いから少しでも力を持たせたいんだ。」

「それじゃ、セリルさんから行きましょうか。」

「本当に大丈夫でしょうか。」

「心配ないですよ、もう何人もやっていますから大丈夫ですよ。」

「はい、お願いします。」

「ではスライムに触れてください。踏んでもいいですよ。」


「融合」マルスが融合のスキルを発動させるとセリルとスライムは融合した。

「セリルさん、融合しても普通でしょう。」

「はっはい何も変わりません。」

「そのままでいてくださいね、分離」

マルスは火魔法がセリルに残るように分離をする。

「鑑定、成功ですね。セリルさんファイヤーを放ってください。あっ向こう向いてね。」

「はい、ファイヤー。」ボッ。

「凄い、本当に魔法が使えるようになるのか。信じられん。」

「私が魔法を使えるなんて信じられないです。」

「セリル、これで魔物とあっても火魔法で追い払えるぞ。凄いぞ凄いぞ。」

「あなた、はしゃぎすぎですよ。」

「お、おうごめんあまりに嬉しくてな。」

「それじゃ次はどなたにしますか。」

「次は俺でいいか。」

「モレガさんですね。」


マルスはカレン、モレガ、ガイレスの3人に火魔法のスキルをつけていった。メイスンはカレンが先にスキルを付けたので最後でいいと言ったからだ。


マルスたち5人はスライムを探し森の中を歩き回っていた。運よくスキル持ちのゴブリンを2匹生け捕りに出来たおかげでカレンとメイスンに剣のスキルを付ける事が出来た。ガレイスとモレガは剣のスキルはあったのでメイスンとカレンに剣スキルを付けた。これで戦力になる事が出来ると大変な喜びようであった。特にカレンの喜びようは凄かった。今まで守られることしかできなかったのである。自分で戦え、子供たちを守る事が出来ると張り切っている。


「カレンさん、練習しないといざというときに戦えませんよ。次にゴブリンが出てきたらセリルさんが倒しましょうか。」

「えーー。私がですか、や、やってみます。」



メイスン、セリル、ガレイス、モレガの4人はそれぞれスキルを手に入れた。


メイスン スキル 火魔法、水魔法、土魔法、剣

セリル  スキル 火魔法、水魔法、土魔法、治癒魔法、剣

ガレイス スキル 火魔法、水魔法、土魔法、風魔法

モレガ  スキル 火魔法、水魔法、土魔法、風魔法


「今日はこれで帰りましょう。みんなが心配しますからね。」

「そうだな、いやー俺もこれで魔法剣士だな。何か楽しいな。」

「そうだな、ガレイス俺たち魔法剣士になったんだな。」

「でもスキルを取っただけではだめですよ。練習しないと威力も精度も上がりませんからね。」

「そうだなこれから毎日練習するぞ、なぁモレガ。」

「おうそうだな毎日練習してギルドで自慢しないとな。ガアハハハハハ。」


それからは村へ帰り子供たちと楽しい食事を取った。

翌日からは村の畑と柵の補強を中心に作業を行い。たまにゴブリンがやってきたがみんなが毎日魔法の練習をしていることも有り簡単に撃退していた。

そんな生活も1か月ほど続きみんなの生活が落ち着いてきた頃、西13村に騎士が現われた。


村の門で騎士が大声を出していた。

門には6歳のマイクが見張りをしていたが。騎士が何人も押しかけて来たために完全にビビってしまい。委縮してしまっていた。


マルスは急いで村の入口へ向かう。ガレイスとモレガも一緒についてくるようだ。


「お待たせしました。騎士様。俺、私がこの西13村の村長で、マルス・ケントレーと申します。何か御用でしょうか。」

「こんな子供が村長だと、本当か。」


その騎士はマルスの後ろに控えている、ガレイスとモレガを見て確認してくる。ガレイスが騎士に村が魔物に襲われ生残りが子供で10人いた事。自分たちも森の中で助けられて保護された事。隣村の生き残り2人もこの村に保護されていることを説明してくれた。


「信じられない、いやだが生きているんだしな。本当なのだろうな。取り乱してすまなかった。改めて私はスレイト王国騎士デリック・コルスタだ。私たちはスタンピードの被害調査にきている。

王都からモズの町に寄ってここまで来たのだ。」

「モズの町は無事だったのですか。」

「ああモズの町は何とか持ちこたえたよ。モズの町の3分の1の犠牲を出したが。魔物を撃退した。」

「そうですか。」

「それで私たちはこの一帯の調査をしているんだがまさか村人が生き残っているとは思わなかった。ここまで来る途中の村は全滅していたからな。」

「そうですか、あの魔物の数では村では防げないですよね。。あっ中にどうぞ。こちらです。」


マルスは騎士たちを村の中に迎え入れた。騎士たちは村の中を見て驚いている。子供たちが畑仕事をしている。まだ5歳ぐらいの子が一生懸命に草むしりをしている。畑もきちんとしている、スタンピードからまだ2か月ほどしかたっていない状況でこんなに整備されていることに驚きを隠せないでいた。


「どうぞ、まだ家の修繕迄手がまわっていないのですいません。」

「いやいや、凄いな子供だけで畑を戻したのか。」

「いいえ、メイスンさん、セリルさん、ガレイスさん、モレガさんが手伝ってくれたおかげですよ。」

「村長それは違うぞ、俺たちが来たときはもうきちんとした畑になっていたからな。」


デリックは生き残りがいる事事態信じられなかった、ましてや村が残っている事等ありえない。

デリックはマルスにその辺の事情を確認する。どのように生き残り、村を維持したのかなど細かく確認していった。

マルスも出来る限り正確に伝える。


「スタンピードの中で生き残ったのは偶然としても、それからの事は信じられないな。」

「でも本当なんです。スキルを取って魔物を倒せるようになったので生きていることが出来たんです。魔法が使えなかったら半分以上死んでました。」

「まさか草むしりしていた小さい子供も魔法が使えるのか。」

「使えますよ。此処に居る子供、いいえ此処に居る者全員魔法が使えますよ。」


デリックと調査にきていた者達は言葉が出なかった。衝撃が大きすぎてフリーズしてしまった。再起動迄1分ほど時間が掛ってしまう。


「す、すまない。驚き過ぎて時間が止まってしまった。村長出来れば今日ここに泊めてくれるかな。まだ調査に奥まで行かなければならないんだ。出来れば今日ぐらいは安心して寝たいのでな。」

「歓迎します、では今日はジャガイモパーティーと行きましょうか。」


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