五話 長引きは嫌
投稿が長引いた。
「いやぁ、姫を助けて頂き誠にありがとうございました!ハッハッハっ!」
気持ちが悪い位に態度が変わっているマルクがアルフィスに礼を言ってる。姫様も他の騎士もその変わりように何事かと目を点にしている。
「気にするな」
アルフィスはそんなこと気にもせずに、平然と返す。まあそもそもこうなった原因はアルフィス自身にあるのだが…
(いやぁ、やり過ぎかな?まっいいよね?自業自得だ)
アルフィスがやった事、それは簡単だ。洗脳したのだ。この世界には洗脳魔法という特殊魔法が存在するが、そんなレベルじゃない。神の王であるアルフィスならばこいつはこうなればいいと思っただけでそのものの思考、言動、種族までありとあらゆるものを変えることが出来る。アルフィスはマルクは裏切らない、という風に思考を変えたのだ。その為今のマルクにとってアルフィスは姫を助けてくれた恩人という事になり、先程の態度となる訳だ。
普通はこういう場合、後々裏切り者だと判明するケースが多いが、アルフィスにはそんなの待つのは面倒でしかない。なので手っ取り早く思考を変えたのだ。
(長引きは嫌)
アルフィスがこんな性格のせいで長期プランで考えていたマルク裏切り劇はあっさりと幕引きとなってしまったのだった。
「ゴホンっ、さてアルフィス様には助けて頂いたお礼をしたいので、王都に着きましたら王城にて父上ーー国王に会っていただきたいのですが…」
さてここでこの姫様の事を伝えておこう。この姫はこの世界にある大陸の一つガルマラ大陸の西方にある国『リグレスタン王国』の王ガラン・フォン・デルスニート=リグレスタンの娘であり、第二王女のマリーナ・フォン・デルニートである。
「ん?王に会うの?いいよ」
マリーナがまたも目を点にする。しかしすぐに戻し、笑みを浮かべた。
「ふふ、面白い方ですねアルフィス様は」
「そうかな?」
普通は国王に会うと言われれば、少しは緊張するものだ。しかしアルフィスは何とも思ってないかのように平然としている。それがマリーナには面白く映ったのだろう。まあアルフィスも神王である。神の王という最高位の存在が、たかが人の王、それも自分が創った者の末裔に会うと言われても、大した事とは思えないだろう。
「まもなく到着です」
(さてこの街では何をしよっかなぁ〜♪)
まだ見ぬ街に期待を膨らませ、アルフィス達は王都へと向かっていったのだった。
ねるねるねるね…食べたいな。なんてね
本編とは一切関係ありません。