三話 殺していい?
短っ!?ごめんね。
「存分に寝た。冒険者になろう」
唐突すぎである。神王は目を覚まし、朝食を済ませると、屋敷を消してから街に向かって歩き出した。
「おっ五十キロ先から血の匂い…と怒号?」
『おいてめぇら!さっさとこいつら殺して金奪って中の女で遊ぶぞ!』
『『『『おおおおおおぉぉぉぉ!!!!』』』』
(うるせえ)
『姫だけは死守するぞ!』
『『『『おおおおおおぉぉぉぉ!!!!』』』』
(うるせぇ…殺していい?)
神王は随分と沸点が低いようだ。
「取り敢えず聞いてる限りだと、盗賊に襲われてるどっかの姫と護衛って感じか。どっかの姫なら助けりゃ街まで送り届けてくれるかな?よし助けよう」
旅の醍醐味、テンプレに巻き込まれに行く神王である。
音速を超えるスピードで五十キロ先まで走っていく。街まで送ってもらう必要性を感じさせないほどの早さだ。あっという間に到着して、そして…
ドーーン!!
盗賊の頭を吹っ飛ばした。
「あっ」キキーッ…ドガーーン!「あっ…」
急ブレーキをして止まろうとしたのだがそれがまずかった。音速のスピードを一気に止めた為、地面が抉れ地割れの様になったのだ。幸い騎士らしきものと馬車の方には行かず、盗賊の方を襲ったので、被害は盗賊の方だけだ。残りの盗賊は…
「あれっ?盗賊もう残ってないや」
ゼロだった。
短っ!?ごめんね(既視感)