995/1026
天竜族の里
1番奥にいる偉い人、この村の長とでも呼ぶのだろうか。
目の前まで行くと、
「まあ、座りなさい」
と声をかけられた。
声からすると女性のようだが、目の前までくるとお面が物凄く恐い。
竜のお面のようだが、現物より更に恐く見せているのではないかと思うほど精巧に出来たお面だ。
僕がちょっと後ずさりしていると、
「ああ、この面が恐いのか?
長はこの面を付けるしきたりがあるからな済まぬ。」
そう言って面を外した瞬間、黄緑色の長く綺麗な髪がなびいた。
その姿は普通の人間にしか見えない。
ん、意外と若い?
声からすると、もう少し年配の人かと思ったけど、僕より少し年上くらいか。
「ほら、ボ〜っとしてないで座ったらどうだ。
ゆっくり話も出来ないじゃないか」
「あ、すいません」
思わず目の前の人に見惚れてしまい、時を忘れていたようだ。
何だろう。
美しいんどけど、それだけではない。
神秘的な何かを感じる。





