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95 レイス
「騎士団は、その薬のせいで半分以上が亡くなったのか」
「そうだ」
「その参謀、狂っているな」
「まさにその通り、王も参謀が就いてから我々の話を聞かずに、参謀の意見ばかり聞いている。
まるで別人のようになられた」
「潤は、無事で良かった」
「翔にも、また会えたしな」
「サボの街に着いたら、他の同級生にも会えるさ」
「自分のしたことに対して、きちんと謝らないとな」
「その必要は無いと思うが」
「どうしてだ」
「会えば分かるよ」
暗闇の森の中を走っていた時、時折光が飛び交うように点滅している。
「何だ、あれは?」
「火の玉にも見えるな、そう言えば翔は幽霊とか苦手だったよな」
「普通、怖いだろう」
「怖いと思うから怖いんだ」
「いやいや、怖い物は怖いんだ」
そう言っていると、横を何かが通りすぎる。
僕は思わず叫んでしまった。
「でた~!」
「あれは、レイスですね」
カロンが呟く。
「レイス?幽霊じゃないの」
「まあ、同じようなものか」
レイスが10体僕達に向かっておそいかかる