対帝国艦隊
「発信源が特定出来ました!」
兵士の声にサフラン王子は直ぐに答えた。
「裏切り者は誰だ!?」
「いえ、それが…」
「どうした、ハッキリ言え!」
「発信源が艦内ではなく艦の外、上の方から通信が発生しています」
「艦の上にだと!
艦の上をモニターに映せ」
直ぐに兵士達は、空中戦艦の上にある第一艦橋から映し出された映像に切り替えた。
艦の上は何も代わり映えないようだが、本当に発信源代わり映えあるのだろうか。
兵士達は映し出された画像を拡大し、少しずつ確認していくと、
「いた!」
艦の上部にしがみつくように機械兵士が一体いるのを確認出来た。
「あいつか!
よし、彼奴を攻撃しろ!」
「王子、お待ちください」
「どうした?」
「機械兵士を攻撃するとなると艦にも被害が及ぶ可能性が在ります。
ましてや、機械兵士が自爆した場合、確実にこの艦は沈みます」
「なら、どうせろというのだ」
「それは…」
兵士にも答えは分からなかった。
だけどそのままにしておく訳にはいかない。
帝国艦隊が集まってくるだけだから、あのしがみついている機械兵士を取り除かなくては、結局、撃沈されてしまう。
しかし、考えが浮かばないようで暫く沈黙のまま時間だけが過ぎていった。
 





