対帝国艦隊
これで大丈夫だろうか?
針路を変えたから、追っては巻いたと思うが、念の為、3Dマップで確認してみる。
周囲をぐるりと一周見回すが敵艦の存在は確認出来なかった。
一安心したが、何か不吉な予感しかしない。
普通のマップ画面に切り替え、より遠くまで敵艦がいないか確認すると、まだ遥か遠く20キロほど先、北側に敵艦だろうか、紫の点滅している物体があった。
今まで生命体だけが表示されていたが、3Dに出来るようになってから、普通のマップでも敵対している物体は表示できるようになった。
僕が成長するに連れてマップ機能も進化しているようだった。
敵は一体だけ、だけどこちらの方向に針路が向かっているのが気になる。
しかし、距離は十分ある。
この距離なら、追いつく事はないだろうと思っていたら、マップ画面の左上から更に紫の点滅。
距離は同じくらいだが、進行方向がこちらに向かっているのが気になる。
そして更に増える。
マップ画面の左から紫の点滅、これで3つ。
進行方向は、やはりこちらに向かっている。
普通なら敵艦が落ちた辺り、もしくはそれまで針路をとっていた方向に向かうはずなのに、明らかに針路を変えたこちらの方に向かって来ている。
まさか、裏切り物がいる?
考えたくはないがサフラン王子に確認する。
「サフラン王子」
「どうした?翔」
「どうやら、敵艦がこちらに向かって来ているようなんだ」
「な、なんだと」
「明らかにこの艦を目指している。
まさかと思うけど、裏切り者などいないだろうな?」
「そんなはずはない、皆、兵士の中から選ばれたエリート達だ。
機械化帝国と内通している者などいる訳がない」
「だが、現に3機もの帝国機が向かって来ているのだぞ」
「ウム…、よし、この艦から通信している者がいないか調べるんだ!」
「イエッサー」





