対敵艦
折角だから、砲撃まで言いたかったのに、良いところを持っていかれてしまった。
仕様がないのでサフラン王子の言葉に少し付け加える。
「爆弾で被弾し煙が上がっているところが防護魔法の穴だから集中的に狙って」
そう言うとその通りにやってくれる兵士達は偉い。
砲撃は次々と、キチンと狙った箇所を被弾させ、炎と黒い煙がモクモクと大きくなり、被害が大きくなっていることを教えてくれる。
そしてついに敵艦は自ら爆発を起こしながら落ちていく。
「よし撃沈だ!」
「「「おお〜!」」」
皆、歓声を上げていたが1人深刻そうな顔をしている人物が…。
「サフラン王子、どうかしたんですか?」
「いや、あれは機械化帝国のスティングレイなんだが、1艦だけいるのはおかしいんだ。
普通なら複数艦の集団でいるはずなんだが」
「ん〜、たまたま出会っただけ?それとも偵察していたのか?」
「その可能性はあるな、我々が魔族と同盟を組む事を知った機械化帝国が阻止しようとして、バラバラになって探していた可能性はあるな」
「それなら早く、ここを離れないと敵艦が集まって来るのでは?」
「ああ、その通りだな。
翔、操縦を兵士と変わろう。
針路がバレている可能性があるから、少し遠回りの針路をとるぞ」
「イエッサー」
空中戦艦は針路を今までの航路より、少し南向きの針路を全速力で現在域を離脱した。





