対機械化帝国強襲攻撃艦スティングレイ
動かす時はゆっくりと、焦らずゆっくりと、心の中で呟きながら操縦していると、後ろからサフラン王子が、
「翔、敵艦の第2斉射が来る前に、こちらから先に攻撃するんだ!
だが、動かす時は慎重に頼むぞ」
言われなくても分かってる!と言いたい所だが、相手は王子だから言える訳がない。
僕は気にする事なく、今は操縦に集中しよう。
敵艦の位置は分かっている。
そこまで艦を移動させなければならない。
慌てないように素早く。
そして、ようやく敵艦の上に付けたと思ったら、雲が途切れ目の前には晴天の青空が続いていた。
「艦下に、敵艦目視!」
兵士の声が聞こえてきた。
皆が艦下を映している画面に目がいく。
「あれは…、機械化帝国の強襲攻撃艦スティングレイだ」
サフラン王子が後ろで呟いた。
特徴的なのはエイのような形と普通、空中戦艦というと地上を攻撃する為、殆どの砲台は艦の下に付いており、上には付いていない。
ところが機械化帝国のスティングレイは上下に同じ数だけ砲台が設置され、上空の敵にも地上の敵にも対応出来るようになっていた。
「敵もこちらに気付いたはずだ。
攻撃準備急げ!爆撃の後、砲撃に移る」
そうサフラン王子が言った後、敵艦スティングレイは退避行動に移っていた。
「敵艦、左舷へ移動してます!」
「逃がすな!折角、優位な位置に付けてるんだ。
分かってるな、翔!」
「分かってますよ!」
と言ったもの、ゆっくりとした動きでは敵艦に追いつく事は出来ない。
多少は無理した動きをしないと追いつけない。
そう思った僕は、出力を上げ舵を急激に切ると艦体は傾き、全てが片側へと転がっていく。
物も人も…。
「翔…!」
誰かが僕の名前を叫んだような気がしたが、気の所為だろう。
僕には敵艦の姿しか見えていなかった。
操縦が良かったのか、たまたまなのかは分からないが艦は敵艦の上にスライドして下降するような形で近づき、敵艦の上空中100メートルの位置に付けた。
「よし、サフラン王子、攻撃命令を…」
後ろを振り向き、途中まで言いかけたが、そこにサフラン王子はいなかった。
今が最良のチャンス、ここで逃すと次は無いかも知れない。
僕は叫んでいた。
「爆撃投下!」





