空中戦艦
操縦は至って簡単だった。
それはよくテレビで撮影されていた飛行機の操縦桿〈そうじゅうかん〉と同じ。
前後に傾けると機首が上下、左右に回すと回した方向に艦が曲がっていく。
そして操縦桿を引き上げると進行方向に進んで行く。
後はパワースイッチ。
出力を調整するレバーだ。
これを傾けてしまうと全力走行となるが、あまり長くはエンジンがもたないらしいから、必要な時だけ全力するように言われた。
取り敢えず教えてもらったのはこの2つ。
目の前には訳の分からない計器やスイッチが沢山あるが、これは触らなくても大丈夫らしいので、操縦桿とパワースイッチの2つだけで艦を操縦出来るらしい。
操縦を代わった時、レバーを引いてしまって、いきなり加速してしまった。
僕も驚いたが、振り返ると回りの皆も床に座り込み驚いていた。
きついから座っている訳ではなく、急な加速の為に立っていられず、皆、座り込んでいた。
「翔、操縦桿はゆっくりと扱ってくれよな」
「はい、すいません」
ごもっともな意見だが、初めて操縦するのに感覚が分かるはずないだろうといいたい。
横に兵士がサポートしているが、突然の事でどうしようも無かった。
なるべくゆっくりと動かすように気をつけた。





