空中戦艦
凄まじい爆音と艦体に激しい揺れが襲ってくる。
とても立ってはいられない。
その場に座り込む者、よろけて怪我を負う者、必死で立っていようと頑張っている者、艦内は阿鼻叫喚の渦に巻き込まれていた。
約1分ほど続いた砲撃が止まり静かになった。
次の砲撃までのインターバルだろうか。
「被害状況を確認しろ」
サフラン王子が司令官らしく命令をしていた。
艦は、まだ飛んでいると言う事は、まだ無事だと言えるか?
見える範囲では炎や煙は上がっていないようだが、艦橋にいる人達には被害が出ていた。
血を流している者、倒れた時に身体を負傷した者、艦は無事でも中にいる人間は無事では無かった。
「どうだ、艦の被害は?」
「艦はまだ無事ですが、防護魔法壁の半分を削られました」
「耐えられるのは、あと一回と言うことか」
艦は耐えられても、中にいる人達が耐えられないのではと漢字ていた。
「反撃は出来るか?」
「はい、反撃は可能ですが、操縦者が負傷しました。
代わりに誰かに操縦をやらせれば可能です」
「よし、翔!
お前が操縦するんだ」
「僕が?」
「ああ、敵艦の位置が分かるのはお前だけだ。
艦を次の砲撃が来る前に、敵艦の上につけるんだ」
「でも、僕、操縦なんてした事ないですよ」
「大丈夫、大丈夫、簡単だから」
いきなり操縦を任せられて困るんですけど、でも敵艦が分かるのは僕だけだし、やってみるか。
近くにいた兵士に簡単なレクチャーを受けて、いよいよ僕が操縦する事になった。
 





