謎の攻撃
全面は、代わり映えのない真っ白な世界。
何処へ向かっているのか?
上昇しているのか、下降しているのか、または左舷に旋回しているのか、右舷に旋回しているのか、全く分からなかった。
「敵艦の補足はまだか?」
「まだです!」
「急げよ、先に見つけ先制攻撃を仕掛けないと、こちらが殺られるぞ」
お互い防護魔法がかかっていれば、攻撃されてもどうって事ないのではと思ってしまう。
艦長は急がしそうに船員に指示を出しているので、近くにいたサフラン王子に聞いて見る事にした。
「サフラン王子、先に先制してもお互い防護魔法がかかっているなら、無意味じゃないのか?」
「それは違うぞ、翔くん」
「何がですか?」
「防護魔法といえども万能ではないと言うことだ」
「弱点があると言うことですか?」
「知らなかったのか?
では、説明しよう。
簡単に言うと地上と空中の防護魔法の違いだ。
地上に張られている防護魔法は、魔法陣を描いて地中に流れているマナを吸い取り半永久的に動作するように作られている。
年数によって防護魔法が弱まってくるから定期的に魔法陣を書き直さなければならないが。
一方、空中の場合、マナを集める事が出来ないので、防護魔法をかける場合、大量の魔石からマナを吸い出さなくてはならない。
だから使用限度があるんだ」
「なるほど、という事は攻撃回数を増やせば、そのうち防護魔法が使えなくなると言うことですね」
「その通り、更に付け加えるなら、敵艦の上空から爆弾で攻撃した方が効率よく防護魔法を削る事が出来ると言うことだ」
「先に敵艦を見つけて上を取ったほうが効率が良いと言う事ですね」
「おお、分かったね。
だから皆、必死で敵艦の場所を探しているんだ」
フム、敵艦の位置か…。
何か方法が有ればいいけど。
僕も何か手伝いが出来ないか、探して見る事にした。





