92 サボの街
街道を暫く進むと、小高い丘に着いた。
この先、進むと森の中の街道を行くことになるので、ここで休憩と昼食を取ることになった。
精霊達の正体がばれないように、注意した。
その為、今まで精霊にやってもらっていた竈作りから、火を起こして料理を作ったので、手間がかなりかかった。
料理は、皆に好評だった。
『そうだ、エマにも食べてもらおう』と思い料理を皿に取り分け、持ち運んだ。
他の魔獣にも、料理を入れた皿を置いて回った。
最後にエマの所へ。
扉は、開いているが外に出ようとせず、隅っこで座っていた。
「エマ、一緒に外で食べないか?」
と問いかけたが返事が反応がない。
仕方ないので、
「ここに置いとくよ」
一言言って出てきた。
その時、指輪のベルが頭の中でなる。
通信が入ったようだ。
頭の中で、返事をする
『はい、翔です』
『あ、よかった無事なのね』
通信の相手はセレナさんだった。
『連絡取れずに、皆心配してたのよ。
今、何処いるの』
『今、サボの街に向かっているところです』
『ちょうど良かった、私達も今サボの街にいるの。
もうすぐ軍義が始まるけど、ラウージャも無事でいるわよ』
『良かった、僕達は夕方には着くと思います』
『待ってるわよ』
『はい、わかりました』
通信が切れる。
ラウージャも無事サボの街に着いたんだ。
今日中には、着きたかったので、昼食の片付けを早く行って、急いで出発した。
これから、何も起こらなければいいのだが…。