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89 占領

昼食を食べ終わり、後片付けをおこなっていた。


「潤、気分はどうだ」


大分だいぶましになった」


「そうか、これからどうする」


「もう後戻り出来ないから、翔に任せるよ」


「そうだな、ルナ、ここからハムレットまで、どのくらい距離ある?」


「ここからだと、歩いて20分程の所かしら」


意外いがいと近い所に来ていたのか、サボの街の方へ近づいてると思っていたが、ハムレットの方に近づいているとは…。


「ハムレットの様子ようすを確認してみるか、ルナ、ハムレットまで案内お願いしていいか」


「ええ、もう帰るつもりだったし夕食をご馳走してもらわないといけないからね」


「ところで、翔、今さらだけど、そこの美女達は誰なんだ」


「そんな美女だなんて、照れるじゃない」


いやいや、アナンタには言ってないと思うけど、将来は美女になるだろうだから間違いではないか。


「僕の精霊達なんだ」


「精霊って人の姿をしているのか」


代表してアルケーが答える、


「精霊は、もともと形の無いものですが、ご主人様につかえる為、ご主人様ののぞむ姿になっているのです」


僕も初めて知った、何にでも形を変えられるってことなのか、僕は美女で抜群なプロポーションを望んでいるというのか…、確かに一

緒に過ごすなら美女がいい、そう思える。


「潤、動けそうか」


「ああ、大丈夫そうだ」


「ルナ、ハムレットまで道案内お願い」


「分かったわ、付いてきて」


ルナは、鼻歌を歌いながら進みだす、精霊達も人の姿のままアナンタと、僕の腕の争奪戦が始まった。

追われていることを忘れ、ピクニック気分で進んでいた。


「この丘を越えるとハムレットよ」


丘の手前まで来ると、嫌な臭いがしてくる。

焦げ臭く、何か燃えた煙の臭い。


「まさか…」


僕は、急いで丘を駆け上がった。

そこから見えたのは、ハムレットの街のいたる所から立ち昇る煙、城壁には、スケルトンや、ゴブリンの姿、そしてかかげられているイザカロ国の旗、

どうやら攻撃を受け占領されているようだった。


後からみんながやって来る。


「そんな…」


「私の家が…」


みんな放心ほうしん状態だった。

綺麗だった街並みは、火災で燃え続けていた。


「私は、これで家も何もかもなくなって一文いちもん無しになっちゃた」


「命があるだけでもいいじゃないか」


「そうだよね」


「僕達と一緒に来るか」


「え?」


「回復役がいると、こちらも助かるしメイドとして雇ってもいい、もちろん宿付きで給料も出すよ」


「本当、他に宛てが有るわけないし、ついていくわ」


「よろしくな、ルナ」


見つかる前に、ハムレットから離れることにした。


「これから、どうする」


「ハムレットから抜けるのは、厳しいだろうから遠回りになるけど、ラウージャを追ってサボの街に行った方が無難か」


「そうだな、サボの街まで行けば連絡もとれるだろうから」


「夜までにサボの街に着くのは無理だから、さっきの洞窟で今夜は過ごして、明日の朝から出発しよう。

ルナへのご馳走はお預けだけど」


「あら、別に良いわよ。

翔くんの作る食事も美味しいから」


洞窟に戻り、夕食の準備に取りかかる。

みんなも手伝ってくれたので、その分早く食事の用意ができた。

大量に作った料理も、すぐに無くなってしまうほど大食いになってきている精霊達とアナンタ、そして意外にルナもよく食べる。

これだけ食べて体型が変わらないなんてとても不思議だ。


寝る前に、見張りを立てようかと言っていたが、ルナが神官クラスらしく、防御魔法も取得していると言うので、洞窟の回りに防御魔法をかけてもらい、安心して寝ることができた。


明日は、長い距離を歩かないといけないので、今晩は早く寝ることにした。

寝床が岩でゴツゴツして体が痛くなりそう、ふかふかのベッドで眠りたかった。

そう思いながら眠りについた。


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