表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/1026

87 逃走

子供でも竜の中の王、王竜だからか、ワイバーン達は騎士達の指示を無視して逃走する。


「助かったよ、アナンタ」


「ご主人様の為ですから」


「翔、まだ追っ手来るぞ」


「分かってる、潤」


馬を全力で走らせているが、遅く感じてしまう。

人が走るよりは、断然速いが三人乗っているせいか、そういう訳では無さそうだが気持ちがあせっているせいかもしれない。


暫く走ると次は騎馬部隊が追いかけて来る。


「翔、急げ」


「ラウージャ、先に行け」


ラウージャから、かなりはなされ一騎で走っている状態だった。

まもなく、ハムレットとサボとの別れ道になるが、このままサボの街に向かうと追撃部隊もついてくる可能性があった為、


「潤、ハムレットに向けて走ってくれ」


「いいのか」


「ああ、こちらに引き付けよう」


『エルダ、念の為、ハムレットへの道を土壁で塞いでくれ』


『分かりました。ご主人様』


別れ道をハムレットに進むと、追撃部隊もついて来た。

取り敢えず、これでよしだが逃げ切れるか、いや向こうがやはり早い、少しずつ近づいてくる。


「潤、森を突き抜けよう」


「森の中を?」


「街道だと大軍に囲まれる可能性があるけど、森の中では大軍で移動しにくいから、逃げ切れる可能性がある」


後は馬が走れるかどうかだけど…。


「よし、森を行くぞ」


『エアル、つむじ風でいいから目眩めくらましお願い』


『アイアイサー、マスター』


街道につむじ風が起き、土埃つちほこりが舞う、騎士達が一時止まる。


「今だ」


森の中に入り、木々の間を突き抜けて行く。

これで逃げ切れるだろうか、マップ機能が使えないと敵の位置も分からない、慣れていた分使えないと不便だ。

敵がどこから来るか分からず、緊張したまま駆け抜けていく。


何とか逃げ切れたか、そう思った矢先、エアルが


『騎馬隊、20騎程来ます』


そうそう上手くはいかないか、数は少なくなっている。

分散させて探索していたのに、引っかかったのか。

騎馬隊が近づいてくる。

何とかしないと、


『アルケー、エルダ、泥沼クゥアグマイア


騎馬隊の前方にたたみ6じょう程の泥沼が突然現れる。

先頭の騎馬5騎程が対応に遅れ、泥沼に落ちたが残りは泥沼を避けて追いかけてくる。


森を焼いて行く手をふさげば、有効だが他の追撃者に居場所を教えているようなものだから、この手は使いたくない。


『エルダ、ゴーレム』


『はーい、ご主人様』


騎馬隊の前に、人の形をしたゴーレムが5体現れる。

エルダのレベルが上がったせいか、ゴーレムが騎馬隊に向かって攻撃している。

騎馬隊はゴーレムの対応に負われ、追撃が止まっている。


「今のうち、引き離そう」


森の中をどこを走っているのか、どの方角に向かっているのか、全く分からなかった。

暫く走っていると、横から数本の弓矢が飛んでくる。

運悪く、潤と馬に弓矢が当ってしまった。

馬はよろけ、そのまま倒れ僕たちも投げ出されてしまった。


「弓矢は、何処から飛んできた?」


すると横から騎馬隊が5騎突撃してくる。


『エアル、鎌鼬かまいたち


騎馬隊に向かって、風のカッターが襲いかかる。

騎士達は、甲冑を着ているので深手を与えることは出来なかったが、馬は切りギザまれその場に倒れ、騎士達は投げ出される。



『エルダ、ロックプレッシャー』


『はーい』


騎士達を閉じ込めるように、岩のドームが出来上がり、そのまま地面の中に吸い込まれて行く。

もう追っ手はないか…。


「潤、大丈夫か」


「ああ、何とか」


見ると弓矢が、肩と腹部に刺さっていた。

これは抜かない方がいいか。


「潤、動けるか」


「何とか、動けそうだが…」


「とにかく、逃げるぞ」


弓矢の刺さっていた場所から、少しずつ血が流れ出している。

このままでは、ヤバイかも知れない。

何処か、休めるところがあればいいが、馬がダメになってしまったので、徒歩で移動することになった







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ