表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/1026

83 会見

今日は、会見の為に早めに宿屋を出発した。

街中を抜けて王宮まで20分程の距離だが、朝早くから人通りが多く、行きう人で混みあっていた。

王宮の前まで来ると、その大きさに圧倒される。

王宮と言うよりは、城塞と言った方が正しいかも知れない。

四階建ての建物で周囲を囲まれており、所々(ところどころ)に監視塔が立てられており、多くの兵士たちが行き交う様子が目に見えて分かる。


大きな城門をくぐると、中は広いスペースがあり、王宮らしき大きなヨーロッパ風のお城がみえ、その横には何故かピラミッドみたいな建物がある。


『あれは、何だろう』と思いつつ王宮の中へと案内される。

至る所に兵士が配置されており、物々(ものもの)しさを感じてしまう。

正面玄関から入り、真っ直ぐに行った所にあるが大きな扉まで案内される。


扉の前にたっていた兵士達が扉をゆっくりと開いて行く。

扉を開いて中の様子が分かった瞬間、更に物々しさを感じた。


正面の奥、少し高い段に国王らしき人物が、その左側に大臣だろうか、三角帽子に白の祭服さいふくを来た人物、右側に黒いローブを頭からすっぽりと被り顔がよく見えない人物がおり、入り口から国王のいるところまで、左側に甲冑に剣と盾を持った騎士が200名ほど、右側には白のローブと黒いローブを着て杖を持っている人物が200名ほどいる。


僕達は、30人程しか居ないのに、かなり威圧的な態度である。

この人数で戦ったら、負けるのは目に見えて分かる。


ラウージャを先頭に、国王の前まで進み出る。

僕は回りを警戒しながら、付いていく。

騎士達を見ている時、ふと見覚えのある人物を見つけた。

あれは、生徒会長の稲垣潤ではないかと思ったがこの場で聞く余裕はなく、国王との会見へと進む。


「国王、ナーガ国大使に対してこの物々しさ、これはどういう事か」


ラウージャは、少し声を荒げて問い詰めた。


「イザカロ国イマリ国王の御前である、分をわきまえろ」


国王の隣にいた大臣らしき人物が口出しする。


「ナーガ国大使としてやって来ている。

そちらの方が無礼であろう」


「何!」


国王は、右手を軽く上げ大臣を止め呟く


「それで、大使とは何をしに来たのか」


「それは、和平条約を結びに」


なことを、ワシはそちらが戦争を仕掛けていると報告を受けているが」


「それは誤解です。第三者の策略によって、戦争が起きようとしてます。

私達はそれを止めようとしているのです」


「どう思う大臣」


「これも敵の罠の可能性があります。

本物かどうかも怪しいですな」


「本物という証明は出来るか」


「証明は出来ませんが、我が国王からの書があります」


「それも本物かどうか分からぬな、どうする参謀」


黒いローブの人物が話始める。


「そうですな、もう理由はいいのではないでしょうか、こやつらを人質に戦争を仕掛けましょう」


そう言ったかと思ったら、ラウージャ、精鋭部隊が次々と倒れ出した。


『しまった!』


僕にも目眩めまいがそして景色が歪む。

少しは耐性があったからのか、少しは持ちこたえていたが、こらえきれずその場に倒れた。


「よし、こやつらを地下牢に閉じ込めろ、そして人質を盾にナーガ国へ進行するぞ」


僕は微かな意識の中、兵士達に引きずられて行く。

あわただしく動く兵士達の音を聞きながら意識を失った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ