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79 樽の中身

まずは国境の街、ハムレットを目指す。

王都から、さらに北上し馬車で1日かけて進む。

流石さすがに朝早いこともあり、人通りは少ない。

長閑のどかな風景が続き、馬のひずめの足音と馬車の音しかしない。

精霊達には、勿論もちろん姿を隠して、回りの警戒をしてもらっている。

僕のマップを見れば、敵が居るか居ないかは分かるけど、どんな攻撃をしてくるか分からない。

精鋭部隊も居るから大丈夫だと思うけど、回りを警戒していた。


半分の行程こうていは過ぎたし、お昼時ということもあって、見晴らしの良い原っぱで休憩を取ることになった。

昼食の用意をテキパキと精鋭部隊はおこなっていたので、僕も手伝うことにした。


「馬車にある食料をいれているたるを一つろしてくれ」


「はーい、分かりました。えっ~と、これかな」


僕は一つの樽を馬車からろし、ふたを開けると、そこには…。


一瞬、固まってしまった。

開いた口がふさがらない状態だった。

いつの間に、樽の中に入ったのか。

中には、アナンタがすやすやと小さな寝息を立てていた。


「アナンタ!」


僕は思わず叫んでしまった。


「なに~、もうご飯~」


食うことしか頭にないのだろうか。


「どうしてここにいるんだ」


「どうしてって、私を置いていくから」


「いつも出掛けるとき、窓のさんで寝ていただろう」


「それは、私がまだ動けなかったから、行きたかったけど行けなかったの!」


「それで、このたるの中身はどうした」


「邪魔だから食べちゃた」


「食ぁべぇたぁ、このたる一杯の食料をどうするんだ」


「えっ、食べた物は仕様しようがないんじゃ」


「お前が言うな!」


「まあまあ」


ラウージャが間に入ってくる


みんなも見てることだし」


回りを見ると精鋭部隊の人達が、こちらを冷たい視線で見ている。

僕はアナンタの頭を手で押さえつけ、頭を下げさせ僕も一緒に頭を下げ謝る。


「ここまで来てしまったら仕方ない。

置いて行くわけにもいかず、連れて行くしかないだろう」


ラウージャの一言で何とかその場はおさまった。


「ご飯まだ~」


アナンタ、たる一杯食べた癖にまだ食べるのか、ちょっとあきれてしまう。


昼食の準備がととのい、みんなで食べる。

勿論もちろんアナンタもちゃかり食べていた。

足りない食料は次の街で買えばいいさと、ラウージャが言ってくれたので、食料の件で言われることはなかった。

日が暮れるまでに、何とか目的の街まで来た。

今晩はここで一泊し、明日は隣国の領土へと入る。

自国ではないので、身を引き締めていこう。

宿では、一部屋を与えられたので精霊達が姿を現し、アナンタと何か話をしていた。

もしかして、精霊達はたるに隠れていたのを知っていたのではないかと疑ってしまう。


そのあと精霊達がお腹空いたと五月蝿かったので、近くの屋台に夕食を食べに行った。

精霊達はともかく、アナンタはまた食べていた。

食いすぎだろう。


宿屋に戻り休みを取る。

みんな同じベッドで寝るのだが、精霊達は僕とあまり変わらない年齢に見えるので、僕は一人ソファーで寝ることにした。

一緒に寝ると、ちょっと照れてしまう。

アナンタの寝顔は可愛い、何だか癒される。

ずっと見ていたい、そう思いながらいつの間にか眠りについていた。




自分でもイマイチかなと思っているのに、評価5pも頂き、ありがとうございます。

少しずつ自分のリズムというか流れがやっと分かり始めましたところです

アクセス数も、何故かここ三日間ではねあがってます

いい作品書きたいと思いますので、直した方がいいところ、こうした方がいいなど有りましたら感想欄に書いてもらえると嬉しいです。

読んでくれている皆様に感謝します。

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