78 出発
今朝も近くの大きな木の下で瞑想していた。
最近、瞑想していても回りの気配が段々分かるようになってきた。
木の気配、草の気配、風の気配など目を閉じていても回りの様子が見えてくるようになってきた。
今日も朝日が昇り始め、1日が始まろうとしていた。
ラウサージュ、沙羅、空、アナンタに挨拶してから行こうかと思ったが、また一緒に行くと言われたら困るのでそのまま王宮へ向かった。
王宮前では、すでに精鋭部隊が出発の準備をしていた。
それぞれに馬を持っているみたいだったが、僕は馬に乗れないけど、どうしようかと思っていたら、あとから馬車がやって来たので、これに乗ろうと思った。
馬車には荷物が沢山積んであったが、座るスペースはあるようだ。
暫くするとラウージャと司祭らしき人と魔法使いらしき人がやって来た。
「翔、早かったな、待たせたかな」
「いえ、今来たところです。
そちらの方は?」
「万が一の為に、回復役と攻撃魔法役を連れて行く。
もしもの場合な」
馬車には、僕とラウージャ、司祭と魔法使いが乗ることになり、あとの精鋭部隊30人は馬で回りを囲むように陣形を組んだ。
「では、出発するか」
「はい」
「よし、それでは隣国に向けて出発」
いよいよ、隣国へ向けて出発した。
最後に挨拶していけば良かったかなと少し後悔していたが、これからきちんと護衛が出来るかどうか心配で、それが気になり落ち着きがなかった。