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57 王女

「どういうこと!」


何故か、沙羅が叫んでいた。

シャワー室から出てきたラウドは、僕と目を合わせようとしない、目が合いそうになると視線をらしていた。

リビングにあるソファーに腰掛けて、僕達はラウドの話を聞くことになった。

シャワーを浴びた所為なのか、裸を見られた所為なのか分からなかったが、ラウドの顔が少し赤いような気がする。


「話してくれ、どうして男装しているのか?」


僕は、ラウドに問い詰めた。

ラウドは沈黙していたが、ため息をつき、思い立つように話始めた。


「これから話すことを聞いたら、君達を巻き込むかもしれないが、それでもいいか」


「巻き込まれるのは困るけど、何故、男装しているのか、そっちの方が気になる」


「そうよ、最初から女性と言っててくれれば、こんなのぞに見られなくて済んだのに」


「それはわざとじゃないし、それに行けと言ったの沙羅だし」


「…、まぁ、済んだことは仕様しようがないけど、教えてくれるラウドくん」


こいつ、覗き魔扱いした上にさらっと流しやがった。


「僕は、この国の第三王女、ラウサージュだ」


「王女!?」


「王女って、国で一番偉い国王の娘ということ」


「し、失礼しました、王女様」


「な、なぜに、男の格好をされておられるのでしょうか」


「無理して敬語使う必要ないし、敬語少しおかしいし、今まで通りラウドでいいよ」


「でも、しかし王女だから」


「だから、王女であること隠してるから今まで通りで!」


「分かったよ、ラウド」


「うん、それでいい、話を進めるよ。

この国が隣の国と、いざこざがあるのは知ってると思うけど」


「知ってる?沙羅」


「知らないわ、拠点フルールイルからあまり出ないから」


「あ~もう、この国の事、全然知らないんだね」


「すまない教えてくれ、ラウド」


「まずこの国の名前は、ナーガ国と言う、首都はここロングケープ、隣の国イザカロ国とは何十年も国境付近でいざこざが起きている。

この都市までは、あまり話が出ないから平和そのものに思えるのだが、最近、ナーガ国の情報が向側にリークされているようなのだ。

そこで、私が独自に調べて見ると、どうやら魔法学園に、イザカロ国と繋がっている人物がいることを突き止めたのだ。

そこで、魔法学園に多額の資金を寄付しているクレイダル男爵にお願いして入学したのはいいが、なかなか尻尾しっぽつかませてくれない。

逆に、調べているのがばれて妨害を受けていている。

だから、クレイダル男爵が見えない所でボディガードを増やしているが、何故か未然に防げない。

ちなみに、カンダスは王女ということを知らないから、言わないで欲しい。」


この部屋に入った人物がいるかどうかだけど、それにしてもカンダスは何処行ったんだ。

あ、精霊達は、なにか知らないかなぁ、テレパシーで呼んでみる。


『誰か、この部屋に入った人見た?』


『残念ながら、私達は見てません』


『この部屋の出入りなら、ラウドさんの後ろの方も、いつも見かけますが…』


『後ろ?誰も居ないけど』


『見えないよう隠形おんぎょうを使ってるみたいだけど、私達から見るとまる見え』


『いつも、ラウドさんを守っているように見えますが』


『なるほど、確認してみるか』


「ラウド、ついでに後ろの人を紹介してもらえるか?」


「翔くん、何言ってるの後ろって誰も居ないじゃないの、もしかして幽霊?」


沙羅は不思議がっていたが、確かにラウドの後ろをよく見ると、背景が少しぼやけているように見えた。


「翔、よく分かったね、普通分からないんだけどね。

王女の護衛と密偵を兼ねているんだ。

挨拶して」


すると、ラウドの後ろから忍者の格好をした人物が現れた。


「拙者、影虎と申す」


「それなら、シャワー室の時影虎を呼べば良かったんじゃ?」


「それは…」


「拙者、風呂場には行けないなり、王女の裸を見たら」


「ダメ~!、それ以上言ったら」


「分かったなり」


裸を見たら何があるんだ。

気になるけど、聞いて死刑とか言われたら困るので、聞かないでおこう。


「それにしても何故、分かったなり、完璧なはずなり」


「あ、それは精霊達がいるからだよ」


「精霊なり?」


「そちらが秘密を話したから、こちらの番だね。

出て来て精霊達」


「いいの、は~い」


四人の精霊達は、姿を現し僕の周りに寄り添う。


「サラマンダーだけじゃなかったの、それにそれぞれ意志があるなんて」


ラウドと影虎は、驚いていた。

本当に見るのが初めてなのだろうか。

二人とも凄い顔して精霊達を見つめていた。

普段はあまり見える存在ではないようだな。


「初めて見たよ人の形をした精霊なんて凄いよ、翔くんこの精霊達いれば」


「ラウド、戦争の道具には使わないからな」


「そうなの、惜しいな」


精霊達は、久しぶりに人の姿に戻り僕から離れようとしない。


「都市見学は、どうする?」


「狙われているなら、外出は控えた方がいいのでは」


「大丈夫だろ、影虎や、翔、沙羅が守ってくれるから。

それにおとりが必要だろ」


「囮は危険では」


「そのくらいしないと尻尾を出さないだろう。

とっとと出かけるよ、早く準備して」


僕達は、準備を済ませ都市見学に出かけることになった。

精霊達にはいつも以上に警戒してもらわないと、まあ、影虎もいるし大丈夫だよね。

大分だいぶん遅くなったけど、都市見学に出発した。







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