47 封印石
「今日から、1部隊として頑張ってもらうけど、そんなに改まらなくていいから。
通常は、翔くん達に全て任せるけど、狩りをしたり、ギルドでクエスト受けてもいいわよ。
ただ傭兵団として動くときは参加してもらうわ。
まずはクエスト受けて、お金稼いで装備や、スキルなど獲得したらどうかなぁ。
あと、稼いだお金の3割は傭兵団に納めてね、団の維持費になるから。」
「とりあえず、今日はどうしようか?」
「街に行って、クエスト受けてくるか」
「よし、全員で出発だ」
「すいません、私は残って居ていいですか」
「どうしたの」
「街には、いい思い出がなくて、暫くはちょっと…」
「すまん、空、俺のせいだな奴隷として引きずり回したから」
「いえ、龍興くんは助けてくれたし、少し時間が…」
「それじゃ、翔くんと隼人くん行ってくれば、何かあれば連絡とれるし」
「そうね、お金もないし簡単なクエストで、がっつりお金貰えるやつ受けてきて」
「沙羅、そんなのあるわけ無いだろう」
「精霊達は、どうする」
「もちろん、ご主人様が行くなら付いていきます」
「あ、精霊で思い出した、この指輪…」
セレナさんは、収納ボックスから指輪を取り出した。
僕が調べてほしいと、セレナさんに渡していた。
「調べたら、指輪に封印石が埋め込まれていたの、これを嵌めると精霊の力が封印されてしまうわ、だからウェスタは精霊力が発揮できなかった」
「そうそうそれ、騙されてこの指輪を嵌めると、力が倍増すると言うから嵌めたのに…」
「普通、疑うよな…」
「あ~ん、ご主人様、皆がいじめる」
「こら~、ウェスタ離れなさい」
ほかの精霊達と比べ、ウェスタは成人女性だし、胸も結構ある。
その胸が僕の腕にあたっている。
「翔、にやけるな」
「翔くん、赤くなっている」
「いや…、だって」
言葉が続かない、成人女性に抱きつかれて悪い気はしないのだが、周りの視線がとても痛い。
「と、とにかく、クエスト受けに行くか、隼人」
僕は、その場から逃げるようにサンピースの街へと向かった。