表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
295/1026

295 ヒメルグラースの街

島と島を縫うように進んでいく船。

時々、『ゴンッ』と船が当たる音が聞こえて来るが、この辺りは水深が浅く船がギリギリ通れる深さらしい。


僕は水の中を確認してみると、確かに海の底が見えていた。

底は砂に覆われ、海はエメラルドグリーン色で、まるで南国のリゾート地に来たみたいに海の水は透き通り、とても綺麗だった。


周りの島もほとんどが無人島みたいで、水面から岩が出ている小さな物から、木や草が生い茂り、家を建てれば自給自足で住めそうな大きな島まである。

その大きさは東京ドーム1個分は有りそうな大きな無人島だった。


10分ほどだろうか。

島と島の間を抜けて、ようやく見えてきた。


「あれが火の国、またの名をムツキ国。

そして海の玄関口、ヒメルグラースの街か」


僕は急いで自分の船室に戻り、仲間達をディメンションルームから呼び戻し、荷物の準備をさせた。

そして僕達は甲板に戻り、港の様子を見ていた。

港は、防波堤などなく砂浜のリゾート地と思えるくらい港らしくない所だった。

防波堤が無くても、周りに無人島が幾つもあるので、沖合いが荒れていても湾内に着く頃には波は穏やかになっている。


遠浅の砂浜が続いているので、リゾート地から500メートルくらいの桟橋が沖合いに伸びており、船が発着する場所は底を深く掘っているようで、海の色が船の航路の部分だけ濃い色をしていた。


暫くすると船は桟橋に接岸してロープで固定される。

乗客は順番に船から降り始め、荷物を船から降ろして運ぶ者達など、周りが一気に活気付いていた。


僕達は船から降り長い桟橋を歩いていた。


「長いな、この桟橋」


「この桟橋、木で出来ているけど壊れないのかな」


「それにしても、この国暑いな」


「火の国と呼ばれるくらいだから、どこかでずっと燃えているとか」


「ダーリン、この国は火山大国ですわ」


精霊達は姿を消していたが、ウェスタが小声で話しかけてきた。


「そうなのか」


「はい、お陰で私の力が高まっていますわ、これなら今まで以上に敵を焼き付くしてしまうわよ」


「ウェスタ、物騒な事はするなよ。」


「ダーリン、分かってますわよ」


僕達は桟橋を気長に歩いている。

500メートルなんて短いようで、歩くと意外と遠い。

海を見ると小さな小魚が沢山いるのが見えた。

豊富な食材がこの辺りには沢山あるのだろうと感じた。

桟橋が終わりに近づき、兵士達が大勢いるのが見えた。

入り口は1ヶ所しかなく、門のような建物以外は柵がされ、他の所からは入れないようになっていた。

僕達は入国審査待ちの列に並ぶと、流れるのが早かった。

本当に審査やっているのかと思えるくらいだったが、実際、自分の番が回って来たら、水晶に指輪をかざすだけだった。


これだけで何が分かるのだろうかと思っていたが、指輪の中には犯罪歴や反乱を起こしそうな人は直ぐ分かるそうだ。

皆、無事に入国審査を通過し、これからどうするか、相談したところ、街を散策しながら、ギルドか酒屋を探して情報を集めようとなったので、早速移動しながら探していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ