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287 キサンの村

静かな草原の道を馬車でゆっくりと進んでいた。

先程まで戦争があっていたと思えないくらいに静まり返り、聞こえてくるのは、風の音と風になびく草の音、そして鳥と虫の声くらいだろうか。


馬車の中には、僕とラウージャ、バーティン軍指令、ミネルバ姫、ネイバン、ガクシンが座っていた。

そして馬車の周りを精鋭の騎兵隊10名が警護に付いていた。


平和条約を結ぶ為、チョウサイの街から更に北上した所にあるキサンの村にある向かっていた。

キサンの村は、城壁はなく人口も少ない為、拠点としては使えないので、ネイロ帝国の兵士達は北上しているが、チョウサイの街から次の街までの中間地点にあるので、ここで和平会議が行われようとしていた。

チョウサイの街からキサンの村まで約1時間の道のりだ。

割りと近いので、お尻が痛くなることはないと思うが念のため、お尻にクッションを敷いて座っていた。


「ところでラウージャ、この人数で大丈夫なのか」


「心配するな、周りの兵士達はエリート中のエリートだ。

それに翔もいるしな」


「でも、相手が待ち伏せしていたら、こちらが殺られてしまうのでは」


「まあ、大丈夫だろ、人質も居るし、翔も居るしな」


「でも、何万もの大軍だったら、逃げるしか方法がないのでは」


「そう、その通り。だから翔がいるのさ」


「え」


「だから、あれ、あれだよ。逃げるために連れてきたのだから」


ああ、なるほどディメンションルームで逃げると言うことか。

今は姫達がいるので、この事は伏せておいたほうが良いだろう。

馬車の中は、何も会話がなく静かなものだった。

このいたたまれぬ空気をどうにかしたかったが、僕もお喋りは苦手だったので、外の景色を見る振りして黙り込んでいた。


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