282 チョウサイの街、探索
ミネルバ姫達と街を歩いていると、メニュー表示が点滅をして通信が入った。
見ると沙羅からの通信だった。
『どうした?沙羅』
『どうしたじゃないわよ。また違う女とイチャイチャして』
まさか、見られている?
そうだった。もしもの時を考えてディメンションルームから外の様子が分かるようにしてたんだっけ。
『沙羅、違うんだ。これはミネルバ姫が逃げないように見張っているんだ』
『それなら、私達も手伝うからディメンションルームを開いてよ。翔くん』
この街には、確かにまだディメンションルームを開いていないから、この街に直接来ることは出来ない。
このまま沙羅達がいない方が平和のような気もするが、後で何と言われるか…、それに、この街で開けなければ自力で来そうだから怖い。
考えた挙げ句、ここはディメンションルームを開けた方が無難だと思い、ミネルバ姫達には、ちょっとトイレとありきたりだけど誤魔化して、
急いで街の外れまで来て人気の無さそうな所にディメンションルームの扉を開けた。
そこで待っていたかのように合流してきた女性達が皆が拗ねたように一言、言って出てきた。
「翔くん、これ以上女性は増やさないでね」
「翔様は女性なら誰でも良いのですか」
「翔様、私がいるのになぜ他の人を見るのですか」
別に僕も女性をファミリに加えるつもりはないのだけど、何故か僕の周りに集まって来ているような…、
文句を言いながらも、僕と街を一緒に付いて来ることになった。
沙羅、ラウサージュ、ミディア、エマ、ルナ、空、クロ、神楽、茜、アナンタ、精霊達、大人数になってしまった。
全員を引き連れて、僕はミネルバ姫達の元へと戻った。
「何じゃ、そのもの達は?」
「え~っと、さっきそこで出会った仲間達です」
「ふ~ん、まだわらわの美貌には敵わないの」
「何ですって~!」
「まだまだ若いの、そのくらい笑って誤魔化せるくらいの器量がないとの~」
「ぐぅ」
沙羅は、怒りを無理やり押し止めようと必死なっていた。
だが顔を見ると…、怖い。
触らぬ神に祟りなし、そのまま知らんぷりしとこう。
そんな事があって、和気あいあいとはいかずに、その状態のまま皆で街0時0分見て回る事になった。
女性達の目当ては、やはり服と食べ物。
王女達と沙羅は、流行りの服を探して、精霊達とアナンタは食べ物を買って食べながら付いて行く。
買い物をしている間に、ミネルバ姫は皆と打ち解けたようで、楽しくショッピングを楽しんでいた。
一事はどうなるかと思ったが、皆、打ち解けてよかった。
特に沙羅もミネルバ姫に流行りのファッションを聞くぐらい打ち解けていた。
趣味が合えば何とか上手くいくものだな。
だけど買い物長いな~、早くおわらないかなと思う僕でした。





