273 休憩
「翔くん、そろそろ休んだら」
「そうですよ。翔様、少しは体を休めないと」
沙羅とミディアが声をかけてきた。
「でも沙羅達も頑張っているのに、僕だけ休む訳には…」
「あれ、私達は交代で休み取ってますけど」
「え、そうなの」
「はい、三交代制で回復師達と順番でやってますよ、だって魔法力が無くなったら回復が出来なくなりますから、魔法が使えなくなったら休憩して魔法力を貯めていますよ」
「そうなんだ」
確かに僕も朝から戦闘、終わったら看護師達の手伝いを行なって、既に日は落ち始めていた。
そう考えると、今まで張っていた気が抜け倒れそうになる。
「大丈夫?翔くん」
「ああ、今は何とか、でもやっぱり疲れが溜まっているみたいだから、少し休まして貰おうかな」
「うん、そうしなよ」
「負傷兵も少なくってきたから、休んできなよ」
「ありがとう、少しだけ休ましてもらうから」
僕は1人ディメンションルームに入り、ベッドに横になる。
相当疲れが溜まっていたのか、ベッドに横になった瞬間、深い眠りについた。
気がついたのは次の日の朝だった。
ふと目を覚ますといつものように、金縛りにあっていた。
僕は必死で動こうとしても、なかなか動きが取れない。
まさかと思ったが、僕の体の方を見てみるとやっぱり…、精霊達四人とアナンタが僕を押さえるように周りで寝ていた。
皆の肌の感触、そして特に胸の感触が僕に変な気を起こさせる。
皆、僕と変わらない年齢に見えるけど実際はどうなんだろうとか、気を紛らわす為に考えていたが、胸の感触に気がいってしまい早く抜け出さないと大変な事になる。
1人1人を起こさないように退かしていき、何とか無事気付かれず脱出する事に成功した。
そのまま僕は負傷兵の所に出掛けたが、既に治療は終わり、大半の看護師や回復師はそのまま空いている場所や木の下、テントの周りなどに疲れて寝ていたが、何人かは負傷兵達の見回りをしながら、のんびりと寛いでいた。
もう手伝う事はないかな。
それより戦況はどうなったのだろうか。
ネイロ帝国を追撃してから、何の音沙汰もなかった。
どうなったのか気になったので、僕は見えないように姿を消してから、空に飛び上がり偵察に行く事にした。





